薬剤師転職すると年収はどれだけアップする?
転職先の職場に求める条件は、「人間関係が良い」「自宅から近い」「残業なし」など人によって様々です。 多くの人は今の職場よりも給与アップしたい、高収入の仕事をしたいと思うのではないでしょうか? 実際に、薬剤師転職をした65%の人は「年収が上がった」と回答しており、年収アップの目標を達成しています。 転職後にどれくらい年収が上がったのかと言うと、全体の30%は年収50万円~100万円、全体の16%は年収101~200万円アップしています。 年収50万円~100万円アップを達成した薬剤師は、 転職先は薬局から薬局、病院から病院と同じ職場を選んでいるのが特徴です。 年収アップはもちろんのこと、通勤のしやすさも条件として重視しているようです。 次に、年収101~200万円アップを実現した薬剤師は 通勤のしやすさ、残業が少ない条件で選んでいます。 年収100万円以上アップした薬剤師は、調剤薬局・ドラッグストアから、製薬メーカー、CROなど大幅なキャリアチェンジを図った人が多いようです。 そして、多くの人が管理薬剤師、薬局長など役職から認定薬剤師やスポーツファーマシストなどの資格を取得したと回答しています。 薬剤師転職は、多くの場合は同じ職場を選ぶ傾向にあり、病院から病院、調剤薬局から調剤薬局、ドラッグストアからドラッグストアとなるようです。 しかし、大幅な年収アップを目指す薬剤師は、病院から調剤薬局、調剤薬局からドラッグストア、ドラッグストアから一般企業と職場を変えるパターンが増えています。 近年は、調剤薬局併設型のドラッグストアや在宅の薬剤師も増えており、働き方の選択肢も広がっています。
薬剤師転職で年収アップする7つの方法・テクニック
ここからは、具体的に薬剤師転職の年収アップのコツ・テクニック7選をご紹介しましょう。 転職先はとにかく年収アップしたいと希望する方はぜひ参考にしてみてください。
①年収アップの要素があるか確認する
「転職して一気に年収を上げたい!」とは転職希望者が思う共通の願いです。 しかし、自分には年収アップするだけの根拠があるか、よく考える必要があります。 高収入を得るためには、それなりの市場価値がある人材でなければ、年収アップを実現することはできません。 「今の年収は450万円ですが、転職後に年収600万円の職場を希望します」と言っても、本当に年収150万円アップする根拠があるか考えてみましょう。 例えば、管理薬剤師として経験が長い、認定薬剤師の資格を取得しているなど、何かプラスαの部分があれば、転職後に年収アップする見込みは十分にあります。 採用側には「自分は年収600万を得る価値がある」ことを説得させなければなりません。 今の職場の年収が低く、友人の薬剤師と比較すると「このままではやってられない…」と思うかもしれません。 しかし、年収アップできる武器となる経験やスキルがなければ高収入案件の内定を獲得するのは難しいといえます。 一昔前までは、薬剤師として5年程度勤めた経験があればベテランとみなされ、転職後に年収アップすることができました。 しかし現在は、認定薬剤師の資格があっても、経営者に対してプラスとなり、貢献できなければ、高収入を得ることは難しくなっています。 他の薬剤師と違うスキルやどうやって利益に貢献できるのか具体的に説明しなければなりません。 例えば、病院であれば保険点数の向上や人件費を抑えて病院の利益向上に貢献した経験した話。 調剤薬局であれば、経費削減を実現して効率化と利益向上に貢献した経験があると魅力的です。 このような成功談は、採用担当者にとって優秀な人材と写るので、年収アップの交渉も成功するでしょう。 「自分には売り込む根拠がない」と思ったら、転職はせずに、今の職場で働きながらスキルアップする方が良いです。 しかし、年収の不満だけでなく、仕事内容の幅を広げたい、労働条件に不満がある場合は、転職を検討しても良いでしょう。
②職場を変える
薬剤師が活躍する職場は、病院、調剤薬局、ドラッグストア、製薬会社、公共の施設など様々あり、職場の種類によっても年収が変わってきます。
▼薬剤師の職場別で見る平均年収
順位 職場 平均年収
1位 製薬会社 650万円
2位 ドラッグストア 550万円
3位 調剤薬局 500万円
4位 病院 450万円
薬剤師の職場として人気がある病院は、経営規模によっても年収は変わります。 一般的に病院の平均年収は、他の職場よりも低めに設定されているので、求人選びは慎重に選ぶ必要があります。 民間病院は経営体制によって変わりますが、国立病院の場合は勤続年数が長くなればなる程上がっていきます。 調剤業務から離れたくない方は、病院から調剤薬局へ転職すると年収アップが見込めます。 特に人口が少ないエリアの調剤薬局は、好条件の求人を出していることもあります。 転職後に引越しをしても良いと考えている方は、地方エリアの小規模な調剤薬局の求人をチェックしてみると良いでしょう。 調剤薬局の薬剤師は、調剤業務がメインとなるので国家資格を活かすことができ、自身のキャリアにも 繋がります。 調剤薬局から年収アップを目指す方は、調剤薬局併設型のドラッグストアを検討してみてはいかがでしょうか。 ドラッグストアの薬剤師は、調剤業務をしながらOTC医薬品を学ぶことができ、年収も高めなのでおすすめです。 薬剤師の国家資格にこだわらなければ、製薬会社へ転職すると大幅な年収アップとなります。
③働く地域・エリア変える
一般的にどんな職種でも、都市部の職場を選ぶと年収は高くなる傾向にあります。 しかし、医療機関の求人においては、地方や過疎地域といった人手不足に悩まされているエリアの求人は高収入となっています。 薬剤師や医師、看護師といった医療関係者は、都市部よりも地方の方が人手が集まらないため、年収や労働条件が良くなっています。 薬剤師転職においては、都市部よりも地方の方が提示される給料は高くなり、地方の病院では年収600万円以上も見つかります。 地方の求人は勤務時間や残業時間なども含めて交渉をしやすくなるのがメリットです。 過疎地域になると住宅手当を全額出してくれたり、 引越し費用の全額負担をしてくれるところもあります。 転職して「年収アップしたい!」「多くの休みを取りたい」「残業したくない」という方は地方求人をチェックしましょう。 少しでも年収が高い職場を見つけたい方は、都市部から離れた地方エリアで求人探しをすることをおすすめします。
④労働形態・働き方を変える
年収アップするには、薬剤師の働き方(正社員・派遣、パート)を変えるのも一つの方法です。 正社員は正規雇用されて働くことができるため収入が安定しているのが最大のメリットです。 ただし、月収・時給に換算すると派遣薬剤師に劣ることもあります。 正社員は残業時間が長く、自由な時間が少なくなるのがデメリットと言えます。 最近、効率よく稼ぎたい薬剤師に人気があるのが 派遣薬剤師です。 派遣の時給は3,000円前後と高く設定されており、1日8時間の場合は24,000円の収入となり、月収48万円にもなります。 この月収は調剤薬局の管理薬剤師やドラッグストアの店長と同じくらいの給与です。 派遣薬剤師は交通費なしや福利厚生が少ないといったデメリットはありますが、効率よく稼ぐには最適な働き方と言えます。 派遣の場合はフルタイムや週5日勤務の条件が多いですが、契約期間が決められており、同じ勤務地で長く働くことは難しいです。 同じ場所で薬剤師として自由な働き方をしたい方はパート勤務を選ぶことも一つの選択肢となります。 パートの時給相場は2,000円前後と派遣よりも低めですが、勤務地が変わらないのがメリットです。 シフト制なので土日休み、午前のみなどライフスタイルや家庭を優先することができます。
⑤大幅なキャリアチェンジをする
薬剤師の年収アップには、大幅なキャリアチェンジをすることもテクニックです。 薬剤師転職といえば、病院から病院、調剤薬局から調剤薬局といった同じ職場へ転職するケースが多く見られます。 ただし、大幅な年収アップをするならば、製薬会社や一般企業のMR職、CRA職への転職が最適です。 MRの平均年収は600万円以上ですが、企業によっては30代でも年収1,000万円を超えている人も多くいます。 製薬会社の求人数は極端に少なく、転職難易度は高めですが、キャリア・スキルに自信がある方は、未経験からも採用されるチャンスは十分にあります。 デメリットとしては、薬剤師資格を直接活かせず、調剤業務を忘れてしまう人もいるので、適性をチェックしてから応募しましょう。
⑥管理薬剤師経験やスキルを活かす
薬剤師としてのキャリアは管理薬剤師の経験があると、転職後の年収アップの強みになります。 調剤薬局へ転職する場合、管理薬剤師の経験があれば、最初から管理職の高給を提示されるでしょう。 管理薬剤師の平均年収は600万円になり、高収入のスタートを切れるのが嬉しいポイントです。 調剤薬局やドラッグストアの新規店舗の立ち上げを経験した方も実績となり、新規オープンの案件に通りやすくなります。 年収アップするには、自分のスキルや実務経験を活かすこともテクニックです。
⑦薬剤師転職サービスを活用する
薬剤師の年収アップは、転職サイトや転職エージェントの転職支援サービスを活用することも大切です。 転職する目的が年収アップならば、薬剤師転職サポートに定評のある転職エージェントに複数登録することをおすすめします。 自分で求人探しをして、年収交渉をしたいと思っても、自分で採用担当者に交渉するのは困難です。 転職エージェントに登録すれば、担当のキャリアコンサルタントが自分と職場の間に入って、年収アップの交渉をしてくれるのです。 転職エージェントは、紹介した施設から人材紹介手数料をもらって利益を得ているため、積極的に交渉してもらえます。 年収が高い人材を紹介すれば、転職エージェントが獲得する手数料も高くなるため、ぜひ年収交渉を依頼してもらうことをおすすめします。 ただし、転職エージェントによって営業力、交渉力は異なるため、口コミや実績をよく確認してから依頼しましょう。 口コミで評判の転職エージェントに登録しても、担当の専任キャリアコンサルタントの経験が浅い、知識が少ないといった場合もあります。 希望の求人を紹介してもらえない場合やミスマッチ求人が続いたり、担当者との相性が良くない場合は遠慮せずに変えてもらうことをおすすめします。 転職サービスによって、同じ職場の求人でも募集要項の内容が異なることかあるため、複数登録して比較することも大切です。 多くの転職サービスに登録すれば、幅広い求人から仕事探しをすることができて、高収入案件に出会える確率も高くなります。 転職エージェントは高収入案件が多い非公開求人を独占的に管理しているため、ぜひ多くの求人を紹介してもらえるように働きかけましょう。
まとめ
今回は、薬剤師転職して年収アップしたい方に7つのテクニックをご紹介しました。 一口に薬剤師のお仕事と言っても、職場によって仕事内容が変わり、平均年収も変わるのでよく適性をチェックすることが大切です。 年収アップの強みとなる資格取得は今の仕事をしながらできるので、転職活動中に勉強するのも良いでしょう。 場所にこだわりがなければ、地方や過疎地域の求人をチェックすると、驚くほど高収入案件が見つかるのでチェックしてみてください。 ぜひ、今回ご紹介した7つのテクニックを参考にして頂いて、理想的な年収アップを実現させましょう。