大手ドラッグストアから調剤薬局へ

大手ドラッグストアで薬剤師として5年間勤務しましたが、様々な理由から転職を決意し、小規模チェーン調剤へと転職をしました

転職をしようと思った経緯

大学の就職セミナーでドラッグストアを志望

私は6年制の大学を卒業後、新卒でドラッグストアに入社しました。 大学生のときに就活活動をした中で、はじめは調剤薬局や病院も含め、どの業種に進むべきか、かなり迷いました。 「企業はいろいろと大変そうだし、MRなんて自分には無理そう。調剤薬局は、何となく女性が多そうだから、男性だとどうだろう??病院も良いけど、給料が安そうだしなぁ。」と、こんな感じです。 奨学金をたくさん借りていたので、できればお給料が高いところがいいなぁとは考えており、募集要項を見ていくうちにドラッグストアに気持ちが傾くようになりました。説明会でリクルーターの方に、「これからはセルフメディケーションの時代になる」と言われ、私も同じように考えたので、ドラッグストアを志望しました。

ドラックストアで6年間勤務して、OTCを中心に経験

ドラックストアでは、新卒から数えて6年間お世話になりました。調剤併設型OTC店舗が多かったこともあり、OTCを中心に経験を積ませてもらいました。 入社してから1~2年目はトレーニングで基礎の勉強を中心に行い、3年目からはトレーナーとして1~2年目を教育していくという流れです。ここでは調剤も組み込まれていたので、基本的なことは教えてもらうことができました。 4年目以降は小さい店舗(処方箋10枚くらい)の、管理薬剤師を任されました。一人薬剤師だったので、いろいろと苦労することも多かったですが、良い経験になったと思います。

不規則な勤務とエリア内転勤

ドラッグストア時代の悩みは、勤務する時間帯が不規則ということでしたね。忙しい時期には、12時出勤で23時に帰る日もざらで、友達と飲みに行ったりすることはほとんどできませんでした。調剤薬局や企業の友人がうらやましかったです。あとは、土日の連休が取りづらいのも、不便を感じましたね。ドラックストアは土日祝日がかき入れ時なので、連休にできても平日で2日か、金・土曜日、日・月曜日といった感じでした。 あとは、エリア内の転勤もなかなか多く、大変でした。私がいた会社では、前もって転勤を言われるのではなく、月末に突然「来月から○○店に異動してもらうことになったので、そちらに行ってね。」と告げられます。引っ越しを伴う転勤ではありませんが、店舗によって生活リズムもがらっと変わるので、苦労したものです。

大きな不満はなく、将来的に働こうと考えていた

不規則な勤務やエリア内転勤は、いろいろと苦労をしましたが、辞めなくてはならないほどの理由ではありませんでした。慣れれば意外となんとかなりますし、管理薬剤師時代は転勤も少なかったので、このまま続けていこうと思っていました。 あと、前職の会社の良いところとしては、有給がある程度消化できることや、さすが大手というだけはあって勤怠管理はしっかりしているので、サービス残業はありませんでした。年収も、同世代の友達に比べると多かった(30歳の時点で610万円+借り上げ社宅に1万5,000円で入れる)ので、全体的には満足していました

2会社の制度が変わり転勤を余儀なくされる

辞めることを考えるようになったのは、会社の制度が変わったことでした。 私のいた会社では、ナショナル社員、エリア社員、自宅通勤社員の3つのコースが選択できました。ナショナル社員は、全国転勤の可能性があるが年収は高めで、借り上げ社宅にも入れるコースです。エリア社員は、エリアの中(東京・神奈川・埼玉・千葉・静岡・群馬や愛知・岐阜・三重・福井など)で転勤の可能性があるが年収はやや高めで、自宅通勤が不可能な場合には借り上げ社宅に入れるコースです。自宅通勤コースは転勤の可能性が無く好きなエリアで働けるが、年収は低く、借り上げ社宅にも入れないコースです。 これらの3つのコース自体に変更はありませんが、これまではナショナル社員として勤務していても、基本的には希望したエリアで働くことができていました。東京を希望すれば、東京もしくは東京寄りの神奈川・千葉・埼玉といった感じです。私も、都内の大学出身だったので、東京を希望して、神奈川の配属でした。 しかし、会社が制度を厳格化したことで、エリア社員は優先的に静岡や群馬などの遠方に回されるようになってしまったのです。

地方配属か年収ダウンか

前述の制度変更によって、東京寄りで働こうとすると、自宅通勤社員を選ばなくてはならなくなってしまいました。自宅通勤社員では年収も大きく下がり、家賃負担もしなくてならなくなるので、大きなマイナスとなってしまうのです。 一方で、ナショナル社員やエリア社員を選択すると、これまで通りの条件で働いていくことが出来ますが、地方配属になってしまうので、こちらもワークライフバランスにとって大きなマイナスとなってしまいます。 私の場合は、もともと神奈川の田舎寄りの配属だったので、しばらくは声がかかりませんでしたが、周りの同僚は次々と静岡や群馬に転勤になっていました。「明日は我が身」と考えながら、勤務をしていましたね。

静岡へ転勤となり、転職を決意

そして、同僚が次々と転勤していく中で、とうとう私にも順番が来てしまいました。配属先は静岡の左の方で、静岡西部および知多半島・豊田・豊川(愛知の南側のエリア)を中心に勤務をしてもらうということでした。神奈川の小田原よりも西に、埼玉の熊谷よりも北に転勤になれば退職しようと考えていたので、辞令が出たタイミングで転職を決意しました。

色々考えて転職会社紹介サイトを利用したこと

転職のタイムリミットは1ヶ月

辞令が出てから、2週間後に現地で勤務開始ということでした。引っ越してしまうといろいろと面倒そうだったので、すぐに退職を申し出ました。「引き留められるかな?」という期待もありましたが、「まぁ、やっぱり君もそうだよね」というような対応をされたのが、少し残念でした。6年間ずっと頑張ってきたつもりではあったのですが・・・。 退職が承認されて、残っていた有給もいくらかあったので、もともとの休日を合わせて約1ヶ月がタイムリミットでした。この期間の中で新しい職場が決まらなければ、一旦無職となってしまいます。無職となるのは良いのですが、今が借り上げ社宅で実家も遠く、荷物もそれなりに多かったので、自分で物件を借りなくてはなりません。費用面の負担も大きいので、この期間の中で転職先を見つけ、可能であれば転職先の借り上げ社宅に入ることを目標としました。

薬剤師転職サービス無料登録

転職未経験だったので、転職会社を利用

これまで転職をしたことがなかったので、まずはインターネットで情報を集めました。便利な時代になりましたね。 転職についていろいろと調べたところ、「転職サイト」というものがあることを知りました。マイナビとかリクナビとか、ああいうものです。無料で利用できるので、薬剤師が転職するのであれば、間違いなく利用した方が良いみたいです。薬剤師専門の会社もあるようでしたが、あまり詳しくなかったので、どれを利用して良いのかわかりませんでした。 あと、少し前に転職をした同期に連絡をとって詳しく聞いたところ、「転職サイトは当たりはずれがあるから、複数登録した方が良い」というアドバイスをもらいました。複数とはいっても、数が多いのでどのサイトを選べば良いのかわからず、登録するのも大変そうなのでどうしようかなぁというのが正直なところでした。

転職会社紹介サイトの存在を知る

そんな中でインターネットをいろいろ調べていると、「転職会社紹介サイト」というものがあることを知りました。これは、フォーム登録すると、転職サイト3社から連絡がくるというサービスです。私が利用したのは、薬剤師キャリアというサイトです。 一度の情報入力で、一気に3社に登録することが出来るので、とても助かりました。また、選りすぐられた3社ということで、いずれも信頼できそうな会社だったので、安心できました。「これなら私にもできるな」と考えて、その日のうちにさっそく登録しましたね。

3社中1社を選び、転職活動を行った内容

3つの会社から1つを選ぶ

「転職会社紹介サイト」に登録後、それぞれの担当者から連絡が来ました。どの会社の担当者も、丁寧で親切な印象でした。どこを選ぶべきか迷いましたが、担当者の1人に同じ関西出身の方がおり、地元の話で盛り上がって仲良くなれたので、その方に一任することにしました。他のサイトの方もすごく良い印象だったので、すこし申し訳ないなぁと思いました。

担当者と条件のすり合わせを行う

選んだ担当者の方に、転職が全く初めてということを伝えたところ、「安心して大丈夫ですよ。Bさんのキャリアなら、狙える企業はかなり広いですから!」と言われ、少し安心しました。関東圏で、転勤の可能性が無い会社という希望でお願いしました。 また、ドラッグストアと調剤のどちらが希望かを聞かれました。ドラッグストアなら経験もあるし、高年収を狙えるが、また夜遅くなる可能性があったり、会社が大きくなるので将来的に転勤の可能性があるということでした。 正直、深夜勤務が無い仕事の方が良いと思いましたし、ドラッグストアの転勤事情は身に染みてわかっています。多少年収が下がっても、調剤薬局の方が良いということでお願いをしました。

候補を選定し、面接、そして内定

そんな中で、おすすめされた条件としては、「関東にしかない小規模チェーン調剤」でした。全国に店舗がある会社では、不人気エリアの問題が出てくるので、前職と同じように転勤を余儀なくされる場合があります。しかし、そもそも店舗が関東にしかなければ、転勤の可能性もありません。また、調剤薬局であれば深夜遅くまでという極端な勤務もなく、ワークライフバランスにも優れるということです。 具体的に候補として挙がってきたのは、関東で30店舗程度展開しているチェーン調剤でした。関東の中でも、ほとんどの店舗が都内からアクセスしやすい地域だったのが、魅力的でした。他にも候補がいくつかありましたが、まずはこの企業に打診してくれるということでした。 私のことを担当の方が紹介してくれたところ、「ぜひ会って面接したい」と言ってくれたそうで、翌週に面接をして頂き、すぐに内定が出ました。「こんなにスムーズにいって大丈夫かな?」と、逆に不安になったくらいです。

転職を行って結果どうなったか

エリアと年収の両方を維持

転職を行った結果、関東にそのまま残ることができました。むしろ、都内に住むことができたので、ドラッグストア時代よりも楽しく日々を過ごしています。プライベートが充実している分、仕事ももっと頑張ろうというモチベーションにつながっています。 また、年収面についても、担当者の方が交渉してくれたので、前職並みの給料を維持することができました。「こんなことなら、もっと早くに転職をしていれば良かった!」と思いました。

ワークライフバランスも改善

勤務時間も、調剤薬局なので9時から19時のシフト勤務です。お休みも日祝日なので、ワークライフバランスはバッチリととれています。さらに以前のように夜遅くなることがなくなったので、趣味の時間などをたっぷり作ることができており、生活にもメリハリが出ています。調剤薬局の仕事は奥が深く、やりがいがあります。OTCの接客に比べると肉体的な負担も小さいので、将来的にも長く頑張っていけそうです。

転職成功の秘訣は「転職会社紹介サイト」の利用

私が今回転職を成功させた秘訣は、転職会社紹介サイトを利用したことです。 自分だけの力では、このような調剤薬局に出会うことは出来ていなかったと思います。おそらくは、深く考えずに前職の競合企業である某大手ドラッグストアなどに就職していたのではないでしょうか。大手には良いところがあり、それを否定するわけではありませんが、正直私には合っていなかったと思います。今のような職場に就職できて、本当に良かったです。 これから転職を考えている方の参考になればと思い、今回の体験談を記事にしてもらいました。