最近は、薬剤師の転職先として、高収入が狙える製薬企業のMRの求人数が増えてきています。
これから薬剤師転職する方は、MRの仕事内容や必要な資格、未経験から転職できるのか気になる方も多いのでは?
そこで今回は、病院・調剤薬局・ドラッグストアの薬剤師から未経験でMRに転職成功する3つのコツをご紹介しましょう。
目次
薬剤師からMRに転職したい!必要なスキルは?
MR(Medical Representative/メディカル・レプリゼンタティブ)とは、製薬会社において自社医薬品のプロモーション活動を担当しています。 製薬会社の営業職を担っており、医療機関の医者や看護師に対して自社の医薬品を紹介して販売促進をする仕事です。 病院・調剤薬局・ドラッグストアで働いている薬剤師は、これからMRに転職するために特別な資格は必要ありません。 MRの職種は薬剤師免許は必須ではなく、特に薬剤師の資格や経験がなくても、営業ノウハウを活かして活躍されている人が多くいます。 病院・調剤薬局・ドラッグストアの薬剤師とは異なり、MRは薬剤師免許がなくても働くことが可能です。 薬剤師免許を活かして仕事をするならば、病院・調剤薬局・ドラッグストアが最適ですが、営業職に興味がある方はMRに向いていると言えます。
MR職にはMR認定証が求められる
MR職には特別な国家資格は必要ないため、製薬会社に中途採用されると、誰でも仕事をすることは可能です。 ただし実際には、MR職に就くと、認定資格「MR認定証」を取得する人がほとんどです。 厚生労働省認可の公益財団法人「MR認定センター」が実施している「MR認定試験」に合格すると、「MR認定証」を取得することができます。 「MR認定証」の取得は必須条件ではありませんが、MRとして必要な知識を身につけた証となるものです。 医療機関の現場でも医師たちからの信頼を得ることができるため、ほとんどのMRは「MR認定証」を取得してから病院へ行き仕事をスタートします。 「MR認定試験」の試験内容は、疾病や治療、薬理学など医薬品全般に関する知識が多くなっています。 合格率は毎年70~80%となっており、薬剤師免許を持っている薬剤師は取り組みやすいでしょう。 MR認定試験は製薬会社に転職後に取得して、更新は5年毎に認定研修を修了する形が一般的です。
未経験から薬剤師からMRに転職成功する3つのコツ
薬剤師から製薬会社へ転職して、未経験からMRになるためにはどうすれば成功するでしょうか? 転職市場から見れば、薬剤師転職の職場は、病院や調剤薬局、ドラッグストアの求人数が多くを占めており、製薬会社への転職は狭き門です。 MRへの転職は薬剤師だけでなく、一般の営業職からも応募が殺到するので競争率は高くなります。 ここからは、未経験から薬剤師からMRに転職成功する3つのコツを見ていきましょう。
①コントラクトMRからチャレンジする
MR職には、製薬会社や医療機器メーカーに所属する正社員MRの他にも、アウトソーシングとしてMR業務を代行する「コントラクトMR」があります。 正社員MRの場合は、製薬会社に入社して、医療機関にて自社の医薬品アピール、販売促進、副作用情報を活動します。 一方で、コントラクトMRとは、CSO(医薬品販売業務受託機関)に所属して、クライアントである製薬会社や医療機器メーカーに勤務します。 仕事内容はどちらもMR業務となりますが、コントラクトMRはCSOに入社し、クライアントの製薬企業や医療機器メーカーで働くことになります。 未経験からMRへ転職する場合は、未経験での採用率が高いコントラクトMRを検討すると良いでしょう。 コントラクトMRは、配属先の正社員へ昇進できるCSOもあるので狙い目です。
②面接では志望動機を明確にする
未経験からMRを希望する場合、面接では、なぜMRになろうと決めたのか、動機を必ず聞かれます。 面接では必ず聞かれる志望動機ですが、これまでの薬剤師の経験をどう仕事に活かしたいのか答えられるようにしておきましょう。 病院・調剤薬局・ドラッグストアで薬剤師として働いていた時に学んだこと、医薬品を取り扱うMRという仕事に関心を持ったきっかけを答えられるようにすることが大切です。 数ある製薬会社の中でも、その会社を選んだ複数の理由を挙げるとインパクトを残すことができます。 例えば、日常でもお馴染みの製薬メーカーなので親しみがある、開発力に優れている、新製品の発売は話題性になるなど、自分なりにまとめておきましょう。 MRの面接では、薬剤師とは全く違った営業職をこなせるかどうか適性もチェックされます。 これまで医療機関にて信頼関係を築いてきた経験があるので、新規顧客の獲得に力を入れたい、といった意気込みをアピールすると良いでしょう。
③製薬会社に強みのある転職エージェントに登録する
MRへの転職は、これでの薬剤師の仕事内容と全く変わるため、面接対策や自己アピールに悩む方も多いでしょう。 自分一人で転職活動をするよりも、製薬会社に強みのある転職エージェントに登録すると役立ちます。 転職サポートのプロであるエージェントは、MR職にはどんな人材が求められているか熟知しています。 薬剤師から未経験でMRに転職するコツ、履歴書・職務経歴書の作成と添削、面接対策を徹底サポートしてくれるのがポイント。 転職エージェントはMRに求められる人材に近づけるために、適性チェックや強みを引き出してくれます。 MRへの転職は、全国にある製薬会社への転職サポートに強みのある「CBキャリア」がおすすめです。 「CBキャリア」は専任キャリアコンサルタントの質が高く、国家資格を持った業界出身者が担当するのでキャリア相談に役立ちます。 製薬会社への転職に必要なノウハウを持ち合わせているので、MRへの転職を検討している方は、登録する価値があります。
薬剤師とは違う?MRの仕事内容
MRの仕事は、製薬会社の営業担当というイメージがある方が多いかと思います。 実際に、病院・調剤薬局・ドラッグストアの薬剤師とはどう違うのか見ていきましょう。 MRの仕事は、病院やクリニックなどの医療機関にて自社の医薬品を販売促進する営業職です。 それと同時に、自社の医薬品における副作用、安全性を伝える役割も担っており、医療の発展に携わることができるでしょう。 副作用は人の命や健康に関わるため、社内で薬の知識を学ぶ研修があり、医療機関に正確な情報を提供します。 医師とのコミニュケーション能力、商品の品質・効能・安全性などを分かりやすく説明ができる論理的思考力が求められます。 薬剤師の仕事は異なり外回りが多くなるため、体力が求められます。 医者の待ち時間も長くなることが多く、医者のスキマ時間に短的に仕事をこなす柔軟さも大切です。 MRの仕事はいかに医師との信頼関係を築いて、自社製品の情報を分かりやすく説明して提供することが重要です。 MRはまさに製薬会社の顔となり、自社製品をアピールして社会貢献することができる仕事だと言えます。
【年代別】MRの平均年収
ここからは、MRの年代別の平均的年収を見ていきましょう。
▼MRの年代別平均年収
・20代 400〜600万円
・30代 600〜800万円
・40代 800〜1000万円
MRの平均年収は約730万円となっており、全職種の平均年収440万円よりもかなり高収入です。 製薬会社は業界全体として高収入なので、どの製薬会社に転職しても高収入となるのがメリットです。 MRの仕事は医師からの信頼を得れば成績が上がり、自然と年収がアップしていきます。 特に外資系の製薬会社の場合は、売り上げ実績に応じたインセンティブ制度を採用しており、営業成績が年収に影響しています。 年齢と共に営業力にも自信が付いてきて、30代でも年収1,000万円以上を超える人も多くいるので夢があります。 製薬会社は、営業手当、福利厚生、社会保険、、年金などのサポートが充実しているのも嬉しいポイント。 カレンダー通りに出勤となるため、土日祝日が休みやすいのもMRの魅力と言えるでしょう。
薬剤師からMRへの転職は年収アップできる?
厚生労働省の統計によれば、薬剤師の平均年収は533万円となり、MRの平均年収と約250万円もの差があります。 薬剤師の平均年収は年齢や地域によっても差があるので一概には言えませんが、製薬会社に転職することにより年収アップする可能性は高いと言えます。 外資系の製薬会社の場合は、年収は完全歩合制になることが多く、成績に合わせて年収が変動します。 やる気と実力があれば営業成績が上がり、年収がどんどん上がるのでやりがいがあるでしょう。 ただし、売上が落ち込むと年収に直結するため、安定した収入を得るためには常に緊張感を持って売上に貢献することが大切です。 病院や調剤薬局とは異なり、MRの仕事は営業職が強く求められますので、営業に向いている方はどこまでも年収アップが見込めます。
薬剤師からMRに転職するメリット
MRに転職すると年収アップできることは最大のメリットと言えますが、他にはどんなメリットがあるでしょうか? 大手製薬メーカーで働くことは社会的な信頼度も得られることは大きなメリットです。 家庭の日常的に役立つ医薬品に携わり、自社の医薬品に詳しくなれるので、家族や友人の薬の選び方のアドバイスをすることができます。 医薬品の副作用や安全性についても詳しくなれるので日常に役立つシーンも増えるのが嬉しいポイント。 MRの仕事は、病院や調剤薬局よりもプレゼンテーションの場面が圧倒的に増えます。 そのため、説得力や高いコミュニケーション能力を高めることができます。 他にも、自分が営業した内容が医師に伝わり、商談がまとまった時の嬉しさは仕事のやりがいに繋がるでしょう。 営業が強くなるので、仕事に張り合いが出て、マンネリにならないのもメリットです。 薬剤師の資格を活かしながら高収入を狙い、社会貢献に携わりたいと考えている方は、MRへの転職を検討する価値はあるでしょう。
デメリットはある?
MRの仕事は、一般企業と医療機関の架け橋となるやりがいのある仕事と言えます。 ただし、薬剤師免許そのものを活かす仕事ではないため調剤の業務と離れてしまうのはデメリットと言えます。 せっかく薬学部を出て薬剤師の資格を取り、薬剤師としてキャリアを積んできたのに、MRへ転職したら調剤をしなくなって寂しい…と感じる人は多いです。 調剤することが大好きで調剤から離れたくない方は、MRの仕事には向いていないでしょう。 調剤をしなくなるとスキルが落ちて忘れてしまうことも多く、MRから薬剤師への復帰も時間がかかる可能性があります。 その他、MRの仕事は日々数字との戦いになるため、なれない営業の仕事にストレスを感じることも多いです。 年収アップを目指してMRになったとしても、外資系の製薬会社の場合はほとんど歩合制となるため、結果を残す必要があります。 数字に厳しい世界なので、成績が悪ければ解雇されるリスクもあるのがデメリットと言えます。 外資系の製薬会社は年俸制を取っており、退職金が少ないこともあるため、高収入とはいえ貯蓄をする必要もあるでしょう。
まとめ
薬剤師から未経験のMRに転職する前に、自分は営業職に適した適性があるかチェックすることが大切です。 これまでの調剤がメインの業務ではなく、MR職は成績が物を言う営業が中心となります。 医療関係者とコミニュケーションを取りながら、プレゼンテーションに興味がある方は、チャレンジしてみる価値はあるでしょう。 薬剤師とMRの仕事内容はかなり異なりますが、医療機関にて社会貢献する意味では共通点があります。 MRに転職すると、大幅に年収アップが見込めて、土日祝日が休みになるのも嬉しいポイントです。 未経験からチャレンジする方は、ぜひ参考にして頂いて、転職を成功へ導きましょう。