薬剤師転職のキャリアアップ!気になる一般企業の仕事内容と年収は?

調剤薬局や病院に勤務する薬剤師ではなく、企業で働く薬剤師はどんな仕事内容なのか気になりませんか?

薬剤師転職はドラッグストアや薬局、病院の他にも一般企業へ転職して年収アップする方も多いです。
しかし、一般企業の薬剤師転職は難易度が高いと思って諦めている人も多いのでは?

そこで今回は、薬剤師が一般企業へ転職するメリットや仕事内容、平均年収、キャリアアップのコツなどをまとめて解説します。
調剤薬局から一般企業への転職を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。

企業に勤める薬剤師とは?

多くの薬剤師はドラッグストアや薬局、病院の中にある調剤薬局に勤めており、薬剤師全体の90%を占めています。
そのため、薬剤師の転職は他の調剤薬局、ドラッグストア、病院といった勤務先が主流です。
しかし、薬剤師が働く場所は医療機関だけではなく、製薬会社に就職して新薬を開発したり、研究に携わっている人もいます。
薬剤師の一般企業への転職はあまり知られていないので、仕事内容や平均年収が気になりますよね。
いわゆる企業薬剤師と言われる仕事は、どんな職種があり、平均年収はどれくらいなのかチェックしていきましょう。


企業薬剤師の5つの職種とは?

一般企業に勤める薬剤師は一般的に「企業薬剤師」と呼ばれており、企業の中でもいくつか職種があります。

①開発職


開発職は一般企業の研究・開発部門に所属して新しい薬の開発に携わる仕事をします。
一般企業には製薬会社、化粧品メーカー、食品メーカー、治験受託開発機関が挙げられます。
主な仕事内容は、研究段階の薬が安全かどうか確かめるために、薬の治験データを元に副作用の有無などを調べます。
臨床開発では、薬を飲んだ際に効果が現れるか、副作用が現れるかを調べて研究解析します。
最近は、ジェネリック医薬品を開発する業務が多く、 特許期間が過ぎた薬を後発品として製造する開発が行われています。
大企業メーカーの場合は薬剤師が自社内で行いますが、外部の治験受託機関に依頼する場合もあります。
治験受託開発機関とは多くのメーカーの新薬開発に携わる業務内容となります。
開発職は自分が直接携わった医薬品がドラッグストアや薬局で販売されて、人の役に立つ実感が湧くので、やりがいがある仕事です。
ただし、一般の薬剤師になるためには6年制の大学卒業のみですが、開発職は博士課程を修了が条件の場合もあります。
企業の開発職は専門的な薬学知識が求められるので、 薬剤師の転職先としては比較的難しい選択と言えます。
まずは、研究・開発部門のある製薬企業に就職してから開発職へ異動希望することを検討するのも良いでしょう。
開発職の平均年収は経験と実績により幅がありますが、600万円〜1,000万円程度となり、高収入も狙える職種です。

②学術職

学術職は、医療関係者の医師や薬剤師に自社製品の情報を伝えたり説明をする仕事です。
製薬会社の医薬情報担当者であるMRや医療関係者に対して薬の説明をする事がメインの職種です。
薬を開発したメーカーのコールセンターには、一般の消費者や医師などから薬について問い合わせの電話がかかってきます。
その対応は、学術職にいる薬剤師に任されるので自社製品についての深い知識が求められます。
学術職のやりがいは、わかりやすく相手の知りたい内容を伝えて薬の知識を伝えることができることがメリット。
他にも、学術職は新薬の承認申請をする薬事申請などのデスクワーク業務も任せられます。
医療に関する説明は英語で行う必要もあるため語学力も同時に必要です。
学術職への転職を希望される方はMRやCRAなどの仕事も同時に検討すると良いですね。
学術職の平均年収は企業により異なりますが、500万円〜700万円となっており、MR兼任の場合は1,000万円程度にアップする場合もあります。

③管理薬剤師

調剤薬局やドラッグストアの管理薬剤師は商品管理や店舗での作業が中心です。
企業に勤める管理薬剤師の主な場合は、品質管理、情報管理、在庫管理を行います。
管理薬剤師の仕事内容は企業により異なり、倉庫勤務の在庫管理や薬事申請などのデスクワークなど様々です。
管理薬剤師の中でも、品質管理に関する業務は多くの企業でよく見られます。
主な仕事は医薬品や医薬部外品の品質基準のチェック、原料や製造過程などを確認する仕事です。
管理薬剤師は人材マネジメント業務も行うため、様々な経験が出来てスキルを身につけられるのがメリット。
企業薬剤師への転職を考えている方は、求人数の多い 品質管理の薬剤師を検討する価値はあります。
平均年収は企業により幅広く500万円から800万円が相場となります。
企業薬剤師として転職する場合は、仕事内容や年収をよく確認することが大切です。

④企業内診療所の薬剤師

大企業の製薬メーカーの場合、企業内に社員が利用できる診療所があり、薬剤師が薬の管理や調剤などを行います。
企業内診療所に勤める薬剤師は、調剤の他にも働きすぎによる心のケアなどの対応もあります。
一般の調剤薬局やドラッグストアなどと比べると忙しすぎずに働きやすい職場だと言えます。
ただし、企業内診療所の求人は少なく、平均年収は400万円から500万円程度となり、年収アップには適していないと言えます。

企業薬剤師の平均年収は?

企業薬剤師と一口に言っても様々な職種があり、経験と実績、勤務年数により平均年収は変わります。
あくまでも目安ですが、企業で働く薬剤師の平均年収は700万程となります。
調剤薬局の薬剤師の平均年収は500万、ドラックストアの薬剤師の平均年収は550万程度ですので、企業薬剤師は比較的高収入と言えます。
企業薬剤師は一般企業の従業員となるため、毎月の給与の他にもボーナスが支給されるところが多いです。
企業薬剤師の平均月給は40~50万程度、ボーナスは100万位となります。
大手の製薬会社の場合は、年功序列や終身雇用制度ではなく、会社に貢献するほど年収がアップする成果主義を取る企業が増えています。
大手製薬会社のMR担当の場合、40代でも成果を出せば年収1,500万を超えている人も多いのです。

薬剤師転職におすすめ!企業薬剤師の職種3選

企業薬剤師は経験と実績を求める専門職が多く、転職先としては狭き門の職種が多いですが、中でも比較的転職しやすい業種もあります。
ここからは、薬剤師転職におすすめの企業薬剤師の職種3選をご紹介します。

①管理薬剤師

企業薬剤師のおすすめの職種は、募集が一番多い管理薬剤師です。
調剤薬局では管理薬剤師を設置することが義務付けられていますが、製薬会社の場合も同様に管理薬剤師が求められます。
   ただし、調剤薬局と製薬会社では同じ薬剤師でも仕事内容が大きく変わりますので注意しましょう。
最も大きな違いは、製薬会社の薬剤師は調剤業務をほとんど行わないことです。
主な仕事内容は医薬品の使用期限や品質といった在庫管理の薬事業務となります。
他には監督官庁といった行政への対応など、基本的にはデスクワークが中心です。
製薬会社に依っては医薬品業務とコールセンター業務、メディア向けライターなど業務が分かれている場合もあります。
  管理薬剤師は企業によって仕事内容が変わり、担当する業務も異なります。
管理薬剤師の転職を希望する方は、仕事内容や求められる条件などをよく確認することが大切です。

②臨床開発モニターはデスクワークが多い


臨床開発モニターとは、臨床試験が基準沿って正しく実施されているか検査する仕事です。
臨床開発モニターの業務は医薬品の管理や臨床開発のモニタリング、医療機関との契約手続きといったデスクワークが中心です。
肉体的にもキツくなく仕事と家庭を両立したい方に向いています。

③治験コーディネーターは新薬に携わる


治験コーディネーターとは治験現場で患者さんと直接接する仕事です。
従来は、ほとんど看護師や検査技師が担当していましたが、薬剤師が担当することが増えています。
治験コーディネーターの仕事内容は患者さんに新薬に関する情報提供や治験内容の説明などを行います。

企業に転職する薬剤師4つのメリット


調剤薬局やドラッグストア、病院への転職ではなく企業薬剤師になると、どんなメリットがあるのでしょうか?
早速、企業薬剤師の4つのメリットをみていきましょう。

①製薬企業のMRは高収入


製薬会社ではMR(Medical Representatives)と呼ばれる医薬品の営業職が比較的多く募集されています。
製薬企業のMRは給与が高く、30代の平均年収は1,000万円近くになるため高収入なのがメリットです。
ドラッグストアや調剤薬局に勤める薬剤師よりもかなり高めなので、転職をすれば大幅な年収アップとなります。
MRになるには薬剤師資格が必要なく、仕事内容はほとんど医者や医療機関に医薬品を営業する業務になります。
そのため、仕事自体はキツイと言えますが、年収アップのために転職をするならば検討する価値はあります。

②調剤業務以外の経験もできる

企業薬剤師は調剤業務以外にも薬事業務や学術業務などの様々な経験ができるのがメリットです。
調剤薬局やドラッグストアに勤務する薬剤師は、調剤業務が主な仕事ですが、幅広い仕事に携わるので飽きることがありません。
このまま調剤を黙々と続けていくのは将来に不安がある…と思っている方は企業薬剤師を検討してみてはいかがでしょうか。

③仕事と家庭の両立がしやすい

一般企業はカレンダー通りの休みが取れるのもメリットです。
ドラッグストアや薬局、病院の薬剤師は土日祝に出勤することは当たり前ですが、一般企業はまとまった休みも取ることができます。
土日祝、お盆休み、年末年始、ゴールデンウィークなど連休も取れるので家族と一緒に過ごすことができるのはメリットですね。
企業薬剤師は患者さん相手ではないため、残業続きや休日出勤もほとんどなく家庭と両立しやすいのです。

④福利厚生が充実している

ドラックストアや調剤薬局よりも大手の製薬会社は 福利厚生が充実しているのがメリット。
企業勤務したことがない薬剤師のために研修制度や教育制度もあるので安心です。
特に大手の場合は、外部セミナーなど、無料のスキルアップのための説明会など学ぶ機会も多くあります。

企業に転職する薬剤師の2つのデメリット

ここからは、企業薬剤師への転職する2つのデメリットについても確認しておきましょう。

①製薬企業の研究職は難易度が高い

大手製薬会社「武田薬品」「アステラス製薬」「第一三共」の研究職は新卒ではなく、即戦力のある中途採用が多く募集されています。
しかし、募集人数が少なく転職難易度が高いのはデメリットと言えます。
大企業の研究職は給与が高く、休暇は取りやすいので人気がありますが、競争率は高くなります。
そのため、転職エージェントに相談してしっかり傾向と対策を準備しておくことが大切です。

②調剤業務が少ない

企業薬剤師はドラッグストアや調剤薬局と比べてあまり調剤業務に携わらないのはデメリットと言えます。
基本的にはデスクワークが多いので、直接患者さんから感謝される機会は減ってしまいます。
業務内容は薬事・学術業務が多く、調剤のスキルや経験を忘れてしまう薬剤師も多いのです。
そのため、企業薬剤師になると調剤業務を行わないことに不安になる薬剤師もいるようです。

企業へ転職する薬剤師におすすめの転職サイト

企業薬剤師への転職は人気が高く、求人数が少ないため難易度が高いことがわかりました。
企業薬剤師は給与の高さや働きやすさが魅力ですが、 転職成功するためには転職サイトが役立ちます。
ここからは、企業薬剤師の転職成功した実績があり、サポート体制に定評のある転職サイトをご紹介します。

①薬キャリ

「薬キャリ」は病院や医療施設など医療業界に特化した薬剤師転職支援サイトです。
薬剤師の求人数は国内トップクラス、スピーディで丁寧な転職サポートに定評があります。
薬剤師の企業転職はもちろん、企業や病院とのパイプもあるので、非公開案件や採用担当者からの情報も教えてもらうことができます。
企業薬剤師への転職を希望している方は、登録してとくべき転職サイトです。

②アンサーズ

  製薬業界企業に特化した転職サイト「アンサーズ」は 企業薬剤師への転職を希望する方は要チェックです。
他の薬剤師転職サイトとは違い、製薬業界の転職に特化しているため、企業に転職したい方に役立ちます。
他の転職サイトでは満足できる案件がなかった方は一度、アンサーズに登録して利用してみてはいかがでしょうか。

③リクナビ薬剤師

人材紹介最大手のリクルートが運営する薬剤師専門の転職サイト「リクナビ薬剤師」は求人数が国内ナンバーワン。
特にドラッグストアや調剤薬局の求人数は全国トップを誇ります。
薬剤師求人業界から幅広く知られているので登録して損することはありません。
専門コンサルタントによる職務経歴書と履歴書の添削や面接対策などのサポート体制も抜群です。

まとめ

今回は、薬剤師が一般企業へ転職するメリットや仕事内容、平均年収、キャリアアップのコツなどをまとめて解説しました。
企業薬剤師は給与が高く働きやすさが魅力ですが、転職難易度は高めと言えます。
これから本格的に転職活動をして企業薬剤師を目指す場合は、薬剤師専門の転職サイトを活用しましょう。
今回ご紹介した転職サイトは無料登録できますので、ぜひ参考にしてみてください。