調剤薬局がM&Aで買収!給与ダウンに耐えかねて

勤務していた調剤薬局がM&Aで買収!給与ダウンに耐えかねて他の調剤薬局へと転職

転職をしようと思った経緯

小規模の調剤薬局で、管理薬剤師として10年以上勤務していましたが、勤めていた調剤薬局がM&Aで買収されてしまいました。はじめのうちは、経営母体が変わっても特に影響は無いだろうと考えていましたが、実際には生活に大きく影響を及ぼしてしまいました。

新卒では大手調剤チェーンで勤務するも、人間関係で悩み転職

私はかれこれ15年前、大学を卒業して、大手の調剤薬局に入社しました。チェーンで全国展開している薬局グループです。 入社後に研修が数日間ありましたが、今ほどしっかりはしていなかったので、“あとは現場で教えてもらって”という感じでした。 当時は大学も4年制であり、女性の人数が多かったと思います。また、病院の人気が高く、今ほど調剤薬局に行く人は多くはありませんでした。特に、男性なら企業という傾向があったので、まわりのスタッフも女性がほとんどでした。 そんな中で、現場の人間関係がうまくいかず、いじめを受けてしまいました。 あいさつをしても返してもらえない、会話でのけ者にされる、自分だけ事務連絡をしてもらえないといった具合です。 「このままでは精神的にまいってしまう!」と考えて、転職を決意しました。働き始めて1年が経過したくらいだったと思います。

自力で見つけた小規模チェーン調剤で勤務

当時は今のようにインターネットも普及しておらず、転職サイトの存在は知りませんでした。 自力でハローワークや求人誌を必死に探して、求人に応募していましたね。ハローワークの求人はあまり良いものがなく、とても苦労した覚えがあります。 いくつかの薬局で面接をしてもらいましたが、雰囲気が悪そうだったり、お給料が安すぎたりと、なかなか良い求人が見つかりませんでした・・・。 ようやく見つけた薬局は、小規模チェーン(チェーンといっても4店舗くらい)の薬局でした。経営者がとても良い方で、「ぜひうちで働いて欲しい!」と言われたことが印象的でした。 薬局の雰囲気も良さそうで、ここなら働いていけると感じ、転職を決めました。

働き始めて3年目で管理薬剤師を任される

新しい職場はとても良い雰囲気で、非常に働きやすい環境でした。 経営者の方とその奥様も薬剤師で、応援でそれぞれの店舗を回って仕事をされていました。とても明るい方で、スタッフに全員に声をかけてくれ、和気あいあいと仕事をすることができました。 処方箋枚数はそれほど多い薬局ではなく、多い日でも80枚という程度だったので、負担もそれほどではありませんでしたね。 私ともう一人の女性の管理薬剤師の方が常勤として勤務しており、残りはパートさんが何人か交代で勤務していました。 働き始めて3年目で、当時の管理薬剤師が出産のため産休に入るということで、私が管理薬剤師を任せてもらうこととなりました。

管理薬剤師として約10年間勤務する

はじめての管理薬剤師だったので緊張しましたが、2年以上働いていた職場であったことと、周りの助けもあって、苦労することはほとんどありませんでした。 取引先のMSさんや門前の医師も、経営者や前任の管理薬剤師が関係を作ってくれていたので、スムーズにやり取りをすることができました。 また、管理薬剤師となったことで年収もアップしたので、満足でした。仕事も安定してきたので、30歳を迎えたタイミングで当時お付き合いした彼女と結婚をしました。仕事とプライベートの両方において、とても順調といえました。 そのまま管理薬剤師として勤務を続け、約10年間勤務をしました。

ある日経営者から呼び出されて告げられた「重大発表」

そんな順調な薬剤師生活でしたが、ある日経営者から呼び出され、ある「重大発表」を告げられました。 それは、私の勤めていた調剤薬局グループが大手チェーン調剤にM&Aで買収されるということでした。 調剤報酬改定でマイナス改定が続き、在宅や基準調剤加算(現在では地域支援体制加算)を見据えた際に、今の規模ではやっていけないということでした。 経営者の夫婦も、薬局を売却後は借金を返済して、また勤務薬剤師に戻るということでした。これまで一緒に頑張っていただけに、つらかったですね。

大手チェーン調剤に買収され、1年間は条件据え置き期間

大手チェーン調剤に買収され、雇用契約を結び直すこととなりました。 買収後1年間は、条件を据え置いてくれるということで、ひとまずは今の条件と変わりなく働くことができるということでした。 しかし、1年後は新しい会社の規則に準じた条件になるということだったので、それまでに今後どうするかを考えるようにということでした。 薬局内部では、レセコンメーカーが変更になったり、調剤ミスを防ぐバーコード監査システムが導入されたり設備や機械の入れ替えがはじまりました。分包機もVマスから円盤に変わり、さすがは大手だなと感じました。 また、本社での研修などもこれまでは経験が無かったので、とても新鮮でした。

管理薬剤師から降格し、給与大幅ダウンという宣告

まもなく1年が経過するというタイミングで、直属の責任者(エリアマネージャーのような職種)から、内示がありました。それは、管理薬剤師から降りてもらい、巡回社員として勤務してもらうというものでした。 年収についても会社の規定やランクが適用され、大幅にダウンをしてしまうそうです・・・。大手なので年収はそこまで悪くないだろうと考えていましたが、額面を聞いてびっくりしました。説明では、残業代が支給されるようになるということと、社内試験を受けてランクが上がれば年収も上がっていくということでした。

転職という選択肢

ある程度の年収ダウンは覚悟していましたが、あまりに低い年収を聞いて、茫然としてしまいました。 家族がいてお金もかかるので、なるべくならば年収ダウンは避けたいと考えていたこともあり、妻と相談の上で転職をすることにしました。 実は、薬剤師の旧友から、M&A後は条件が変わって転職をする人が多いということは、何となく聞いていました。雇用条件を結び直した際にも、暗に転職を勧められたようにも思います。具体的に活動はしていませんでしたが、「転職になるかもね」ということは妻にも伝えていたので、スムーズに承諾を得ることができました。

色々考えて転職会社紹介サイトを利用したこと

家族がいたので、転職で失敗はできない

家族がいたということもあり、転職で失敗はできませんでした。現職は長く続けることができましたが、新卒で入った会社のようにすぐ辞めるというわけにはきません。 これまで大手では2度苦い思いをしてきたので、前職のような小規模の会社でまったりと働きたいと考えていました。しかし、あまりに小さい会社であると、またM&Aされてしまう可能性もあります。 手当たり次第に探していこうかとも考えましたが、昔のように自分の足で求人を探すという時代ではなさそうだったので、ひとまずは旧友に相談をしてみました。

旧友からの、転職会社を利用するべきというアドバイス

旧友からもらったアドバイスとしては、「転職会社を利用すべき」ということでした。インターネットの普及によって、「転職会社」というものが、薬剤師に限らず転職の主流となっているそうです。募集をする薬局側も、転職会社に登録することが当たり前なので、転職会社無しでは良い求人は手に入らないとのことです。時代は変わりましたね。 転職における悩みを相談すれば、専門のエージェントがそれぞれに合った求人を紹介してくれるとのことでした。私の場合であれば、「家族がいるので年収を維持したい」、「大手や小さすぎる薬局には不安がある」というところでしょうか。

転職会社はたくさんあり、どれを利用して良いかわからない

転職会社に登録しようとインターネットで検索しましたが、転職会社はいろいろとあり、どれを利用すれば良いのかわかりませんでした。大手の有名な会社にしようとも考えましたが、そういったところは薬剤師以外も扱っているので、専門性に欠けるという口コミもあり、なやみました。小さい会社の方が親身に対応してくれそうですが、取り扱っている求人数が少ないというデメリットもあるようです。 複数の会社に登録することも考えましたが、あまり多くのエージェントと対応できる気がしなかったので、なかなか登録が進みませんでした。

転職会社紹介サイトの存在を知る

そんなとき、転職会社を紹介してくれる、「転職会社紹介サイト」というものがあることを知りました。いろいろな仕事があるんですね。 このサイトは3つのオススメの転職会社を紹介してくれるというもので、自分に合った会社を提案してもらえ、その中から1社を選んで転職活動を勧められるというものでした。3つの中から選ぶだけなら、自分でもできそうだと考えて、私は薬剤師キャリアというサイトにさっそく登録することにしました。

3社中1社を選び、転職活動を行った内容

3つの会社から1つを選ぶ

転職会社紹介サイトに登録すると、3つの会社から連絡がきます。ここでは、A社、B社、C社としますね。 A社の担当の方は、男性のベテランの方で、調剤薬局の転職が得意ということでした。B社の担当の方は、こちらも男性の方で、オールマイティにいろいろな求人を案内できるということでした。C社の担当の方は、女性のベテランの方で、調剤薬局とドラッグストアが得意ということでした。また、転職が不安な方には、履歴書の書き方のサポートや、エリアによっては面接同行もしてくれるということでした。 どの担当の方も気さくで話しやすい方でしたが、転職に自信がなかったこともあり、C社の担当の方を選ぶことにしました。

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C社の担当の方を選び、自分に合っている薬局を探してもらう

C社の担当の方に転職のサポートをお願いして、転職活動がスタートしました。 私の条件としては、前述のとおり「年収を維持したい」、「大きすぎず小さすぎない規模の薬局が良い」ということでした。また、30代とまだ若く、男性であることから、「可能であれば管理薬剤師に挑戦したい」ということも、担当の方と話し合って条件に加えました。 候補となる求人をいくつか見せてもらいましたが、年収が低すぎたり、エリアが遠かったり、管理薬剤師でなかったりと、なかなか希望の求人が見つかりませんでした。担当の方から、「ちょうどボーナス前の時期なので、もう少しすればボーナスをもらってから辞める方が出てきます。求人を出す薬局も増えるはずですよ。」と教えてもらいました。 すぐに転職をしなくてはならないというわけではなかったので、現職を続けながら待つことを選択しました。

検討を重ね、理想の企業から管理薬剤師としての内定を頂く

1か月くらい経ったところで、候補となる薬局が複数見つかりました。どれも素晴らしい薬局で、すぐに応募しようと思いましたが、エージェントの方がしっかりと調べてくれるということだったので、一旦お任せしました。 M&Aされる可能性、年収の上昇率、直近の離職状況、スタッフの人間関係についても、確認して頂き、理想とする企業を見つけることができました。 面接対策や履歴書などもサポートして頂き、面接にも同行して頂いて、無事内定を頂くことができました。

転職を行って結果どうなったか

管理薬剤師として復帰

転職を行うことで、管理薬剤師として再び働くことができるようになりました。一般薬剤師も悪くはありませんが、若いうちは管理薬剤師としていろいろと勉強をしながら働いていく方が良いのではないかと思います。 また、管理薬剤師の上のポジションも用意されており、エリアマネージャーのような形で複数店舗を統括する役職も、目指すことができるということです。 以前の会社では、管理薬剤師の上が経営者だったので、キャリアパスが得られたのは嬉しいことです。

もともとの年収を維持することに成功

年収についても、もともとの水準を維持することが出来ました。あのまま大手で勤務していたのでは、この年収まで回復するのは、かなり先になっていたのではないかと思います。 年収の上昇率も安定しており、今後も少しずつですが、確実にアップしていくということでした。 ちなみに、もともとの年収は約650万円で、M&Aによって約550万円に下がるということでした。100万円のダウンは、妻子がある身としては厳しいですね・・・。

転職成功の秘訣は「転職会社紹介サイト」の利用

今回、私が転職を成功させることができたのは、「転職会社紹介サイト」のおかげです。 昔のように自分で探していたのでは、時間ばかりかかって、良い結果は得られていなかったと思います。「ボーナス時期の前だからもう少し待つ」という担当の方のアドバイスも、私一人の力では、思いもよらなかったでしょう。履歴書の書き方や面接のサポートも、とても助かりました。至れり尽くせりです。 また、転職会社自体はたくさんあるので、今回のように「転職会社紹介サイトの薬剤師キャリア」に自分に合った会社を紹介してもらい、その中から選ぶというパターンが良いと思います。3社程度であれば、しっかりと吟味できるでしょう。 「薬局を紹介する転職会社を、さらに紹介してもらう」というと、一見まどろっこしいと思うかもしれませんが、オススメです。