調剤薬局の薬剤師求人は数が多く、転職自体は難しくはありません。 ただし、自分に合った最適な職場を見つけられるかどうかは別の話です。 この記事では、病院勤務の薬剤師が調剤薬局へ転職成功する5つのポイントを解説していきます。 調剤薬局へ転職したい薬剤師は、ぜひ最後まで参考にしてみてください。
薬剤師は調剤薬局が働きやすい?
日本は深刻な高齢化社会を迎えており、全国的に薬剤師が不足しているため、薬剤師求人は年々増加傾向にあります。 薬剤師専門の転職サイトを見ると、病院や医療機関よりも調剤薬局の職場を多く見かけますよね。 病院の数よりも調剤薬局が多いという理由もありますが、全国的に調剤薬局の薬剤師求人は多いです。 一度も調剤薬局に勤めたことがない薬剤師でも薬剤師免許があれば、採用されるチャンスは十分にあります。 新卒してからずっと病院に勤務している方も未経験から調剤薬局の薬剤師へ転職することは十分に可能です。 調剤薬局は病院と比較すると高収入であり、労働形態は正社員、派遣社員、契約社員、パートと幅広く選べるので人気があります。 薬剤師転職して年収アップしたい方は、大手の調剤薬局を選ぶと、キャリアアップが実現するでしょう。 最近は、大手ドラッグストアは調剤薬局を併設しており、年収800万円クラスの薬剤師求人も多いので要チェックです。 子育て中の方は、仕事量をセーブしたい方も多く、調剤薬局ならば、好条件の派遣社員としても働くことができます。 このように、調剤薬局はキャリアアップしたい方やライフスタイルに合わせて働きやすい職場であると言えます。
調剤薬局は福利厚生やサポート体制も充実している
調剤薬局の薬剤師は求人が多いので、比較的転職しやすく、病院よりも高収入であることが大きなメリットです。 その他にも、大手の調剤薬局の場合は、完全週休2日制、残業なしという好条件も多く見られます。 病院勤務の薬剤師は、土日祝は休みを取れず、残業が多いのがネックではないでしょうか。 調剤薬局であれば、福利厚生も充実しており、育児休暇や産休・育休なども取れるので、女性が働きやすい環境にあると言えます。 結婚や転勤を機に引越しをしても、調剤薬局ならば勤務地を店舗異動してもらいやすいので便利ですね。 病院勤務の薬剤師は、引越しをすると知らない土地で転職先を探さなければならないので大変です。 病院しか勤務したことがない未経験の薬剤師も、調剤薬局ならば、研修やサポート体制があるので安心です。
調剤薬局の薬剤師転職を成功する5つのコツ
病院勤務の薬剤師は年収に不満がある方も多いのではないでしょうか。 病院勤務の薬剤師は平均年収が400〜650万円、調剤薬局は450〜700万円と50万円近く差があります。 ただし、調剤薬局によっても大手チェーンと中小薬局では年収の差があるので確認する必要があります。 キャリア志向の方は、管理薬剤師に上り詰めると平均年収650万円からとなり、年収アップが実現します。 大手チェーンの調剤薬局は福利厚生は充実していても 年収は360万円からのところも多く、病院薬剤師と変わらない求人も多いです。 一方で、中小薬局は研修やサポート体制、福利厚生は少ないですが、年収400万円からと高めの設定が多くなっています。 一般企業の場合は、大企業で都心部の求人の方が地方の中小企業よりも高収入で条件が良い傾向にあります。
しかし、調剤薬局の薬剤師転職においては、大手チェーンよりも中小企業、都心部よりも地方の方が年収が良い真逆の現象が起きています。 年収アップのために薬剤師転職をしたい方は、東京都、神奈川県、大阪府、兵庫県といった都心部だけでなく、地方の求人にも目を向けてみましょう。 希望の勤務地を幅広くすることで、年収アップもしやすくなります。 調剤薬局の薬剤師転職は、大手チェーンよりも中小の方が年収が高めですが、サポート体制や福利厚生は大手の方が充実しています。 大手チェーンの場合は、エリアマネージャークラスになると順調に年収アップしますが、中小の場合はキャリアアップは難しくなります。 薬剤師転職を成功するには、年収だけでなく、福利厚生などの条件もよく検討して、最適な職場を見つけることが大切です。
①調剤薬局の門前薬局と面対応薬局の違いを知っておこう
調剤薬局には門前薬局と面対応薬局があり、同じ薬剤師求人でも仕事内容が異なるので、よく確認する必要があります。 例えば、病院の目の前にある「門前薬局」は、主に特定された診療所の処方せんを行う業務になります。 「門前薬局」は規模にもよりますが、比較的小さな規模の場合、一人の患者さんに時間をかけることができるのがメリットです。 顔見知りの患者さんも増えて、感謝されることも多く良い感じの職場が多いのがおすすめポイント。 特に地方の「門前薬局」は処方せんの数が少なく、業務が比較的楽なのも負担がかからずメリットといえます。
ただし、来院患者数が多い「門前薬局」の場合、処方せんの数が多くなり、混雑時は目まぐるしいほど忙しくなることがあります。 初心者から調剤薬局に勤務する方は処方せん枚数が少ない「面対応薬局」が向いています。 「面対応薬局」の調剤薬局は様々な医療機関からの処方せんをするため、処方せんの枚数は少なめです。 未経験の方も落ち着いて業務をすることができて、上司からも指導してもらえるので働きやすいでしょう。 調剤薬局へ薬剤師転職する際は、「門前薬局」と「面対応薬局」のどちらが自分に向いているのかをよく検討することが大切です。 「門前薬局」と「面対応薬局」のどちらが優れているということはなく、どちらが自分に合っているか見極める必要があります。 求人情報やホームページを見ただけではなかなか職場環境まで分からないので、実際に現場へ確認すると良いでしょう。
②調剤薬局の取り扱い処方科目を確認する
薬剤師転職するにあたって、意外と盲点なのが処方科目を無視してしまうことです。 薬剤師求人において、どの処方科目が多いのかを確認することはとても重要です。 例えば、内科の隣にある調剤薬局の場合は様々な薬を扱うため、一般的な幅広い知識を学べる機会があります。 ただし、小児科の場合は粉薬や水剤の調剤が非常に多く、一つの処方せんの調剤に時間がかかります。 薬剤師として幅広い知識を見につけたい方は内科を選ぶと良いですが、未経験には覚えることが多いことを覚悟しておきましょう。 一方で、眼科、耳鼻科、皮膚科がメインの調剤薬局の場合は、特定の薬だけを取り扱うだけです。 そのため、内科よりも薬の種類は限られていて決まっており、覚えることが少ないメリットがあります。 眼科、耳鼻科、皮膚科がメインの調剤薬局は業務が楽で簡単、そして覚えることも少なく、混雑することもないので、未経験にも負担がかからないのがメリットです。 調剤薬局へ薬剤師転職する方は、どの科目をメインに取り扱っているのかをよく確認することが大切です。 今後の薬剤師としてのキャリアを考えて、どの科目の調剤薬局を選ぶかを良く検討しておきましょう。
③薬剤師のキャリア転職ならば管理薬剤師がおすすめ
調剤薬局の薬剤師求人は主に一般的な薬剤師求人となります。 薬剤師としてキャリアアップしたい方、年収もアップしたい、責任のある仕事を任されてやりがいを求める方は、管理薬剤師の役職を目指すことをおすすめします。 一度、管理薬剤師まで上り詰めてキャリアアップすると、今後もずっと高待遇の転職をしやすくなり、高年収をキープすることができます。 今後、薬剤師として確実にキャリアアップしたい方は 一般薬剤師から管理薬剤師まで昇進できる職場かどうかを確かめると良いです。 管理職を目指すキャリア転職の場合、転勤や異動の可能性もあるため、先のことまで考慮しましょう。 薬剤師求人サイトを見ただけでは分からないこともあるので、転職エージェントの専任キャリアコンサルタントに相談すると役立ちます。
④年収が高い薬剤師求人は地方の小規模な調剤薬局にあり
先程も説明したように、一般企業の場合は都心にある大企業は高収入・好条件の傾向にあります。 しかし、薬剤師求人においては真逆の現象が起きており、地方の小規模サイズの調剤薬局は高収入・好条件となっています。 地方では薬学部のある大学が少なく、薬剤師の人手不足が深刻化しており、都心よりも好条件となっているのです。 今の職場では年収が不満という方、転職して年収アップしたい方は、地方の中小規模の調剤薬局を検討してみてはいかがでしょうか。 都心にある大手の調剤薬局よりも年収が高く、物価の相場も抑えられるので、転職後は自由に使えるお金が増えるでしょう。 ただし、地方の小規模な調剤薬局のデメリットは、店舗異動が難しいことです。 大手チェーンの調剤薬局は店舗数が多く、引越しをすると比較的店舗異動がしやすいのがメリットです。 職場環境が合わない、人間関係に悩みがあるといった場合も店舗異動してもらえると転職しなくても良いので便利なポイント。 地方の小規模な調剤薬局の場合は、店舗異動が難しいため、旦那様が転勤が多い方、引越しが多い方は大手チェーンの調剤薬局の方が向いています。
⑤労働形態の選択肢を広げよう
薬剤師には正社員、派遣社員、契約社員、パート・アルバイトなど様々な働き方があります。 最近は、かなり好条件の派遣社員や契約社員の求人が増えており、選択肢の幅が広がっています。 年収アップや働きやすさにこだわるならば、正社員だけにこだわらずに派遣社員や契約社員も検討してみる価値はあります。 例えば、正社員の薬剤師は簡単には異動ができませんが、派遣社員の場合は勤務地を自由に選ぶことができます。 薬剤師という仕事柄、職場は比較的狭いため、人間関係に悩む方も多いです。 派遣社員の場合は同じ職場にずっと働くことがないので、自由に働くことができて、人間関係に悩むことがないのもメリットです。 派遣社員の求人は高収入の案件が多く、正社員よりも高収入の求人も増えてます。 派遣社員は残業時間も正確に決められているため、急な残業や休日出勤もなく、働きやすいのがポイント。 子育て中の方やブランクが多い方は、派遣社員を選ぶ方も増えてきています。
調剤薬局へ薬剤師転職する際の注意点
ここからは、初めて調剤薬局へ薬剤師転職する際の注意点を解説していきます。 病院の薬剤師とは異なり、調剤薬局は数名〜十数名体制で業務を行うため、職場環境を事前に確認することが大切です。
実際に調剤薬局の職場へ足を運んで目で確認すること
調剤薬局はよほど大規模や店舗出ない限り、数名〜十数名の少人数体制で業務を行っています。 狭い場所で毎日同じ仲間と顔を合わせて仕事をするため、職場の人間関係が良いことは重要なポイントです。 人間関係が良くなかったり雰囲気が良くない場合、「こんなはずじゃなかった…」と後悔するケースも少なくありません。 業務以外は全く口を聞いてくれない陰湿な職場環境の場合、どんなに収入がアップしても転職成功にはなりませんよね。 そのため、転職先に応募する前に必ず現場を自分の目で確かめることが大切です。 職場の内部事情までは外からでは正確には分かりませんが、従業員の雰囲気や動きを見れば、全体の特徴が分かります。 薬剤師専門の転職エージェントを利用すれば、専任キャリアコンサルタントは職場にも精通しているので、デメリットまで詳しく教えてもらえますよ。 薬剤師転職サイトの求人サイトや調剤薬局のホームページを見ても、職場環境の雰囲気までは分かりませんので、エージェントを上手に活用すると良いです。 全国展開している大手チェーンの調剤薬局の場合は、人間関係に悩みがあると店舗異動するチャンスがあります。 しかし、中小の調剤薬局の場合は、異動がないのでまた転職せざるを得なくなります。 転職して年収アップしたけど、人間関係が悪くてまた辞めたくなった…という事態を避けるためにも、必ず現場の見学をすることが大切です。
まとめ
日本にある調剤薬局の数はコンビニより多く、薬剤師求人数は年々増加傾向にあります。 調剤薬局へ転職することは、薬剤師資格があればそれほど難しくはありません。 ただし、自分の希望する条件に合った職場を見つけることは容易ではありません。 調剤薬局勤務の薬剤師は、エリアや労働形態、大手チェーンか中小によって選択肢は様々です。 最後に心の底から「転職して良かった」と思えるためにも、ぜひポイントと注意点を参考にしてください。