転職体験談から学ぶ!薬剤師から製薬会社へ転職する 3つのポイント

薬剤師の職場といえば、病院・調剤薬局・ドラッグストアのいずれかを選ぶケースがほとんどです。 そんな中、最近、薬剤師から製薬会社への転職を目指す人が増えているのをご存知ですか? 製薬会社への転職は、何と言っても高収入が狙えるのが最大の魅力です。 主に製薬会社の広告塔として医療機関で医薬品を営業したり、新薬の開発に携わる仕事があります。 しかし、製薬会社の仕事は、通常の薬剤師のように調剤の業務はなく、薬剤師免許も必要ありません。 未経験から製薬会社へ転職できるか心配な方も多いことでしょう。 そこで今回は、転職成功談から学ぶ製薬会社へ転職するための3つのポイントをご紹介します。 薬剤師から製薬会社への転職を目指している方は、ぜひ最後まで参考にしてみてください。

製薬会社の薬剤師へ転職成功した人の体験談

最近、薬剤師の間で製薬会社への転職を目指す人が増えています。 製薬会社の仕事には、自社の医療用医薬品の製造販売、研究開発、情報提供をする仕事などがあります。 どれも薬剤師免許や薬学部を出る必要はなく、特別に必要な国家資格は不要です。 そのため、製薬会社の中途採用は他業界から多くの人材が未経験から応募する特徴があります。 入社してからは、自社の医薬品を学ぶために研修を受けたり、「MR認定証」を取得する必要があります。 現代の医療は日々進化しているので、常に医薬品について学ぶ姿勢が大切です。 製薬会社での仕事は、薬剤師の仕事とは大きく異なりますが、医薬品を取り扱い、医療業界に貢献する意味では共通しています。 ここからは、薬剤師から未経験で製薬会社に転職成功した体験談をご紹介しましょう。

 

体験談①調剤薬局から製薬会社のMR職へ

★★★★☆

28歳・男性

薬学部を卒業後に、調剤薬局へ就職して薬剤師として働き始めました。 女性が多い職場でしたので、現場に慣れるまでには時間がかかりましたが、人間関係は良かったです。 先輩たちに調剤や仕事を指導してもらい、患者さんから感謝されることが多く、仕事にもやりがいを感じられるようになったのです。 しかし、年収は500万円から上がらず、給与に対して段々と不満が出てきたのです。 将来のことを考えると不安になってきて、もっと年収が良い職場はないか探し始めました。 調剤薬局やドラッグストアは仕事内容は変わらず、平均年収も500万円と変わらないため断念することに。 ある日、薬剤師の求人サイトを見ていたら製薬会社の求人が目に留まりました。 製薬会社は新卒採用のイメージが強かったのですが、外資系製薬会社は中途採用していることを知ったのです。 営業職となるMRの仕事は自分と同世代の20第後半でも年収1,000万円を超える人もいて、気になりました。 自分は営業の経験はありませんが、人に医薬品を説明したり説得することが好きなので向いていると直感。 製薬会社のMRについて研究して、転職活動を始めることにしたのです。 製薬会社に強みのある転職サイトや転職エージェントを利用して、自分のアピールポイントを活かした面接対策などを徹底的に行いました。 MRは数字が大切な営業職ですが、薬剤師として経験した医薬品の知識は役立つ自信がありました。 面接では志望動機や製薬会社を選んだ理由、意気込みや自己PRをして、念願の内定を獲得したのです。 入社してからは、医療用医薬品の自社製品を学ぶために研修に参加したり、市販のテキストでも勉強しました。 これから薬剤師からMRを目指す人へのアドバイスとしては、これまての経験を活かしてやる気を見せれば 十分にチャンスはあります。 薬学部でなくでも文系出身でも、他業界からもMRになる人はいるので、年収アップを目指す人はチャレンジする価値はありますよ。 確かに求人数は少ないですが転職エージェントを使って外資系製薬会社の求人を紹介してもらったりすると良いです。 競争率も高いので転職先が決まるまで長期化すると考えて、早めに転職活動することをおすすめします。

体験談②調剤薬局から製薬会社の研究職へ

★★★★☆

26歳・男性

調剤薬局の管理薬剤師として働いていました。 調剤薬局に入ってから管理薬剤師になることを一つの目標としていたので非常にやりがいがありました。 地元の小さな調剤薬局なので、薬剤師が常に足りず任される業務が多く負担になっていきました。 初めは忙しいことがやりがいだと感じていましたが、一般の薬剤師と給与がほとんど変わらないことも不満を感じるようになったのです。 一度は、ドラッグストアへ転職してエリアマネージャーへキャリア転職しようと考えました。 しかし、本当に自分がやりたいことは医薬品の研究だと思い起こして初心に返ったのです。 医薬品の研究に打ち込める仕事を…と探していたところ製薬会社の研究職があると分かり仕事を調べました。 技術研究の仕事は、新薬の開発に向けた創薬の研究などを行うため、医薬品を深く学べると思ったのです。 自分は医薬品の世界に魅了されて薬剤師になったので、今度は医薬品を研究する仕事に就きたいと思うようになりました。 研究職を目指す場合は、博士課程を修了していることが募集条件になっていることが多いです。 私の場合は、転職活動は約半年間もかかりましたが無事に内定をもらい、製薬会社の研究職へ転職することができました。 製薬会社にとって、医薬品の研究開発は非常に多くの期待が寄せられている貴重な仕事と言えます。 特に治療法が見つかっていない疾患に対して新薬の開発に携わることは、大きなやりがいを感じます。 新しい医薬品を研究する仕事は、これまで薬剤師として経験してきた医薬品の知識が役立っています。 製薬会社への転職は薬剤師の資格がもったいないと感じる人もいると思いますが、実際は大いに役立つので心配いりません。 研究職のメンバーは、自分たちが研究した薬でいつか多くの人の病気を治して元気になれば…という願いを持ち仕事に取り組んでいます。 仲間にも恵まれてとてもやりがいのある仕事ができるので転職して本当に良かったと感じています。

体験談③ドラッグストアから製薬会社の開発職へ

★★★★☆

26歳・男性

ドラッグストアに就職して薬剤師として経験しましたが、接客や品出し、発注などの店舗管理の業務が多く 仕事内容に不満を感じていました。 週末は品出しとレジ打ちだけで終わることもあり、調剤から離れてしまうのも気になっていました。 年収は順調に上がっていましたが、医薬品に関わる機会が少ないのが不安になったのです。 製薬会社へ転職すれば、もっと医薬品について詳しく学ぶことができて社会貢献できるのではないか?と思うようになりました。 製薬会社の職種を調べていたところ、開発職と呼ばれる薬を開発する仕事が気になりました。 開発職は、製薬会社、化粧品メーカー、食品メーカー、治験受託開発機関などの研究・開発部門で募集されています。 求人数が少なく転職先としては狭き門ですが、新しい薬の開発に携わる仕事がしたい自分には最適だと思いました。 転職エージェントに登録して、独占案件の外資系製薬会社を紹介してもらい、ようやく内定を獲得したのです。 現在は、開発段階の薬の治験データを取ったり、副作用の有無などを調べる業務を行なっています。 ドラッグストアで働いていた時と比べて医薬品に深く関わることができて、医療用医薬品についても詳しくなれたのは嬉しいです。 薬剤師から製薬会社への転職は確かに狭き門ではありますが、薬剤師として経験したこと、薬剤師免許を持っていることは強みになります。 これから製薬会社の開発職を目指す方は、自分の強みや志望動機、どんな開発に関わりたいのか明確にしておくことが大切です。

製薬会社の薬剤師へ転職する3つのポイント

製薬会社の職種は、一般の薬剤師と仕事内容が異なるため、求められる人物像に近づける必要があります。 ここからは、未経験から製薬会社へ転職する3つのポイントを見ていきましょう。

①マネージメント能力をアピールする

製薬会社の仕事は、多くの社員をまとめるマネージメント能力が求められます。 管理薬剤師やエリアマネージャーなどマネージメントの経験があると採用されやすいです。 企業としてどれだけ貢献できるか、面接時点でチェックされているので、マネージメント能力をしっかりアピールしましょう。 部下に調剤や仕事を指導した経験がある、人材育成ができることを強調すると、採用率がアップします。 将来、管理職になるまで働いて会社に貢献することを過去の経験と合わせて伝えると良いでしょう。

②数字の管理経験をアピールする

 

製薬会社にとって、薬剤師は黙々と調剤をして、患者さんに説明するイメージがあります。 製薬会社の営業職MRは、常に数字を意識して結果を残すことが求められます。 営業ノルマを達成するために残業したり、休日出勤も多くなります。 面接では、数字とは無縁の薬剤師が果たして営業職が勤まるのかという点をよく判断されます。 ドラッグストアで働いていた薬剤師の場合は、店の売り上げの管理をしていたことを積極的にアピールしましょう。 数字の管理経験があると選考の有利になるので、面接対策では準備しておきましょう。

③英語スキルを付ける

製薬会社の職種は、英文の文献を読んだり、研究で海外の薬を扱う機会が多いため、医療用語を英語で理解する能力も求められます。 製薬会社によって英語力がどこまで必要か異なりますが、TOEIC700点以上が推奨されているところもあります。 特に研究職は英語力が必須条件となりますので、研究職を目指す方は、転職活動中から英語力を磨いておくことが大切です。

薬剤師が製薬会社へ転職するメリット

ここからは、病院・調剤薬局・ドラッグストアで働く薬剤師が製薬会社へ転職するメリットを見ていきましょう。 最大のメリットは、大幅な年収アップが見込めることが挙げられます。 病院・調剤薬局の平均年収は約400~650万円、ドラックストアは約400~700万円以上です。 製薬会社へ転職すると平均年収は700〜900万円と大幅アップするのが嬉しいポイント。 特に営業職を担うMRは、営業成績次第で年収が比例して上がる成果主義です。 勤続年数や年齢に関係なく年収が上がるので、年収アップを目指す方は、一度検討する価値はあるでしょう。 20代後半から30代でも年収1,000万円を超える人も多く見られるので期待できます。 製薬会社は業界全体的に業績が安定しているので、安定した収入が見込めるのがメリットです。 未経験からチャレンジする人もほとんどの製薬会社には独自の研修制度があり、自社製品について学ぶことができます。 最先端の薬事に関する知識、医療用医薬品を学ぶ機会が多くあります。 製薬会社は調剤薬局やドラッグストアと比べて産休・育休休暇が取りやすく、福利厚生や職場環境がしっかりしているのもメリット。 土日祝日休み、大型連休やお盆休みもカレンダー通りに休みが取れるので、ライフスタイルのバランスも取りやすなるでしょう。

デメリットは?

薬剤師から製薬会社へ転職するデメリットとしては、高収入ゆえに人気が高いため、転職難易度が高いことです。 異業界からチャレンジする人も多く、ライバルの営業マンに勝たなければなりません。 薬剤師としての薬学の知識や経験は強みになるので、面接では積極的にアピールしましょう。 中途採用の採用枠は少ないため、しっかりした傾向と対策が必要です。 調剤薬局やドラッグストアへ転職するよりも製薬会社への転職は狭き門であることはデメリットです。 しっかりと企業研究を行い、求められる理想の人物像に近づけることが大切です。

まとめ

今回は、薬剤師から製薬会社へ転職成功した体験談かと3つのポイントをご紹介しました。 調剤が主な業務の薬剤師とは全く異なる仕事内容であることがお分かり頂けたかと思います。 製薬会社は業界的にも安定していて、今後も成長が見込まれているので、どの企業へ転職しても年収アップを目指せるのが嬉しいポイントです。 薬剤師としての経験や薬学の知識は、大きなアピールポイントとなるので面接対策しておきましょう。 もっと幅広く医薬品の知識を深めたい方、医療業界で社会貢献したい方は、製薬会社への転職を検討してみてはいかがでしょうか?