転職で残業を減らしプライベートが充実

転職をしようと思った経緯

新卒で病院に入職して、5年になろうとしていました。

病院での仕事は調剤業務にとどまらず、入院患者さんへの服薬指導や院内のチーム医療への参加、院外での学会発表も行い、充実した時間を過ごしてきました。

スタッフは新卒で入職した人が多く、先輩後輩といった関係が根強いです。

平均年齢も若いため、職場は和気あいあいとした部活動のような雰囲気です。

年齢の近いスタッフ同士で飲みに行ったり、休日に遊ぶこともあります。

中小規模の病院では、5年も働いていると他職種のスタッフとも顔見知りになり、薬剤師以外と話す機会も増えました。

コミュニケーションが取りやすく、人間関係には恵まれた職場だったと思います。

私にとっての不満は、1つ目に残業が多いことでした。

医師が外来や手術などに入っていて入院患者さんの処方を出す時間が遅くなると、それから調剤を行わなければなりません。

昼間は暇だったのに、夕方になってから忙しくなるというのがいつものパターンです。

病院では急な入院もあります。

入院患者さんが来ると、薬歴を調べたり、持参薬の有無を確認したりといった業務が発生します。

入院時は、様々な医療スタッフが対応にあたります。

看護師による処置や入院説明が終わり、医師による病状説明が終わって、ようやく服薬指導ができる頃には勤務時間をとっくに過ぎていることもしばしばです。

保健所などによる監査の前や学会発表の準備、棚卸期間では帰宅が深夜になることもありました。

何より問題なのは、誰も帰りたそうにしないことです。

遅い時間になると買い出しに行って夕飯をとったりと、帰る気配がありません。

さらに遅い時間になると、音楽を流し始めたりする人もいて完全に文化祭準備のノリで仕事をしています。

私自身、その場にいるときは周りとの会話も楽しく、仕事をしているという充実感から、特別不満はありませんでした。

しかし、帰宅してからが大変です。

寮で一人暮らしをしていたため、帰りが遅い日は洗濯や掃除はできませんでした。

自炊を頑張ろうと思っていても料理をする時間も気力もなく、お惣菜で済ませる日々が続きます。

ひどい日になるとシャワーすら浴びずに寝てしまうことも。

休日は寝溜めをしてから家事をして、一日が終わることも珍しくありませんでした。

このままではいけないと思い、気分転換に運動を始めることにしました。

スポーツは得意ではありませんが体を動かすことが好きで、学生の時は家の近所をジョギングなどしていました。

働き始めてからはなかなか時間が取れず、運動する機会もありませんでした。

そこで、寮の近くにあるスポーツジムに通うことにしました。

仕事が休みの日に行くようにすれば、週2回は体を動かすことができます。

ひさしぶりに体を動かすと、仕事による疲労とは違った心地よい疲れがありました。

主にマシーンを使ってのランニングにハマり、走ることの楽しさも思い出しました。

室内なので安全で、空調も効いていて快適です。

月会費を払っていることもあり、休みの日には欠かさず通うようになりました。

「もっとジムに通って走る時間を増やしたい」「ハーフマラソンなら出れるかも」。

ひさしぶりに趣味ができた私は、こんな風に思うようになっていました。

しかし、仕事のある日は残業でジムに行く時間はありません。

しかも、みんなが残っているため「ジムに行きたいから帰ります」などとは言い出せず…。

自分の仕事が終わっていても、やらなくてもいいような仕事に手をつけたりしていました。

そして2つ目の不満は、お給料でした。

病院は他の勤務先と比べてお給料が低いのは分かっていたことですが、現在の職場は残業代がほとんど付けられないのです。

残業代が付けられる業務は決まっていて、他は勤務時間を超えて仕事をしていても全てサービス残業です。

新人の頃は「仕事が終わらないのは自分が遅いせいだから仕方ない」と受け入れていましたが、経験を積んだ今となっては、任される仕事が増える一方で、処理能力が上がっていても業務時間内には終わりません。

「どうせ時間内には終わらない」と思うと、定時に帰るつもりもなくなります。

残業代が出ないとなるとモチベーションが下がり、業務時間外となってもダラダラと過ごしてしまいます。

ボーナスが高いならばまだいいのですが、例年ほとんど上がることはありません。

上司はある程度はもらっているだろうと思い聞いたところ、業務の過酷さに比べると金額も高いとはいえず、昇格にも魅力を感じませんでした。

キャリアアップにも不安があります。

当時の職場は女性が多く、結婚や出産を機に退職するスタッフがほとんどでしたが、産休を取って復帰すると話していた先輩も、結局は戻ってきませんでした。

今後、自分が結婚や出産するとなったときに、この職場でどのような働き方ができるのか想像がつきませんでした。

勉強時間が十分に取れないことも、将来を考えると不安でした。

職場での勉強会は定期的に開催されており、外部の勉強会に参加する機会もありますが、他にも学びたいことはたくさんあります。

自分が調べたいことや知りたいことについて学ぼうとするには時間が足りませんでした。

また、役職がついた場合は薬剤師として以外の業務も増えます。

スタッフの勤務調整や他部署との会議などで時間を取られることも多く、経験を積んで昇格したところで、果たして自分のキャリアアップにつながるのかと疑問を持っていました。

色々考えて転職会社紹介サイトを利用したこと

「どうすれば自分の趣味に時間を使えるのか」「ランニングを続けるために、規則正しい生活をして体調を整えたい」「今の職場は楽しいけど、残業がなくなる気配はない」「せめて残業代が欲しい」「ライフスタイルが変わっても働けるのか」…。

色々と悩んだ末に、転職を考えることにしました。

私が就職活動をしたのは新卒のときのみ。

大学生のときは自分で求人を探して、企業研究をして、見学の予約を取って、履歴書を書いてと、やることが多く大変だった記憶があります。

仕事をしている今の状態では、とにかく時間がありません。

自分で転職先を探すとなると、面倒になって「ここでいいや」と適当に終わらせるのは目に見えていました。

いくつか薬剤師向けの転職サイトがあるのは知っていましたが、「違いがわからないし、自分と合わないところだったら困るな」と思い、なかなか気がすすみませんでした。

そんな中、学生時代の同期の勧めで転職会社の紹介サイトを教えてもらいました。

UP薬剤師というサイトです。

複数の転職支援サービスの会社にまとめて登録ができるとのことでした。

これなら登録の手間も少ないし、たくさんの求人が見られそうです。

会社同士の比較もしやすいかもしれないと思い、利用することにしました。

登録自体は簡単で、個人情報や転職に希望する条件を入力するだけです。

仕事から帰ってきて登録をして、後日電話が来るのを待ちました。

3社中1社を選び、転職活動を行った内容

登録をしてから数日後、コンサルタントの方から連絡がありました。

現在の仕事についてや、転職先に希望することなどをお話しして、面談の日時を決めました。

コンサルタントの方が優しく相談に乗ってくれたので、最初に連絡があった転職会社にお願いすることにしました。

面談では、転職の理由や希望する業務内容、待遇やお給料について相談します。

現在の状況として仕事内容や人間関係には満足しているが残業が多いこと、趣味に使える時間を確保したいこと、キャリアアップに不安があることをお話ししました。

転職先を絞り込むため、まずは希望する条件の優先順位を決めます。

私の場合は、転職を決める大きな理由となった勤務時間を最重視しました。

月平均の時間外労働時間を確認してもらうことで、残業の少ない職場がわかります。

年間休日の日数や1日の勤務時間と、お給料の兼ね合いから候補を選びました。

「朝は多少早くてもいいから、なるべく早く帰りたい」などの条件でも探してもらえます。

病院での仕事にはもう満足していたため、勤務先として調剤薬局を希望しました。

調剤薬局での勤務経験がないため、業務内容や1日の仕事の流れから説明してもらいます。

また、勤務地は都内を希望したところ、条件に合ったエリアから求人を絞ってくれました。

一人暮らしを続けたかったので、住宅手当の金額や寮の有無、転職と同時に入居可能かどうかも確認してもらいます。

条件として私自身は意識していませんでしたが、職場の雰囲気や人間関係も重要ですよとアドバイスをいただき、離職率や継続勤務年数、産休・育休の取得率など、ネットの求人からは分からない情報も教えていただきました。

候補を絞ったら、応募書類を準備します。

転職における履歴書の書き方もアドバイスしていただき、内容を確認してもらいます。

これまで実際に書いた履歴書をチェックしてもらえることはなかったので、とても参考になりました。

応募書類が完成したら、コンサルタントの方が応募先に推薦してくれます。

このとき、面接の日程も調整してもらえます。

書類選考を通過後は面接です。

就職の面接を受けたのは何年も前だったので心配でしたが、コンサルタントの方が事前に練習を行ってくれました。

質問に対する回答の仕方なども対策ができたことで、気持ちが楽になりました。

面接にはコンサルタントの方も同行し、待遇やお給料などの交渉も行っていただきました。

自分では交渉なんてできる気がしなかったので、とても有り難かったです。

私の場合は仕事をしながらの転職活動だったので、入職日も調整する必要がありました。

転職先が決まってからにしようと思い、現在の職場には退職願を出していない状況だったので、入職日も調整していただけたのは助かりました。

また、現在の勤務先から退職する際のアドバイスも頂けて、至れり尽くせりでした。

職場の人たちは私の転職に驚いてはいましたが、転職の理由を話すと「そうだよね」と理解してくれました。

「自分が辞めることで他の人の負担が増える、怒られるのではないか」と思っていた私は、安心して最後の日まで勤務することができました。

送別会では「新しい職場でも頑張って」と送り出してもらえて嬉しかったです。

転職を行って結果どうなったか?

転職後の職場は、定時上がりが基本です。

終業時間がわかっているため、プライベートの予定も組みやすくなりました。

転職に伴い引っ越したことでジムは変わりましたが、新しいジムでもランニングを続けています。

以前より時間的な余裕があるため、ランニングにも時間をかけられるようになりました。

半年後のハーフマラソンへの出場を目標に練習しています。

仕事帰りにスーパーに寄る時間もでき、自炊を再開しました。

健康管理もできるし、食費も抑えられています。

仕事のある日も自由な時間が増えたので、生活にゆとりが生まれました。

残業代もつくようになりました。

時間外勤務は、1分単位で手当てが付きます。

お金が発生していると思うと仕事にも緊張感が生まれ、早く終わらせようという気持ちになります。

時間を有効に使うことに重点を置いているからでしょうか、残業代を稼ごうという気は不思議なことにありません。

残業しないのが当たり前の環境では、勤務時間外までダラダラしている人はいません。

スタッフの誰もが、定時に帰宅できるよう意識を持って業務に取り組んでいます。

時短勤務やパート採用があることから、既婚者や妊婦さん、育休明けのスタッフもいます。

残業がほとんどないことも働きやすさにつながっているのでしょう。

仕事と生活の両立の仕方などを聞く機会もあり、自分の将来の働き方もイメージできるようになりました。

これまで気にしてこなかった人間関係についてですが、転職後の職場では転職経験者も多く、仕事を教えてもらいやすい環境です。

年齢の近い人も何人かいるため、質問しやすく助かっています。

これまでの職場とシステムを比較するなど、情報交換をすることもあります。

特別賑やかで仲がいいというわけではありませんが、仕事をする上でコミュニケーションは取りやすく、職場の雰囲気も良いと思います。

嬉しいことに、今のところ人間関係の問題はありません。

時間に余裕ができたことで、勉強する機会も増えました。

病院で働いていたときは、業務にあたる中で実践的な内容は身につきますが、じっくり調べたいことがあってもまとまった時間が取れず、自分の勉強は後回しになっていました。

転職後は、ジムに行かない日は調べものをするなどして勉強時間を確保しています。

転職をして予想外に嬉しかったことの一つに、寮が綺麗だったことがあります。

寮といっても会社で建物を借り上げているので、見た目には普通のアパートです。

前に暮らしていた寮は建物も古く、お湯が出ないなどのトラブルもありました。

現在は綺麗なお部屋で、快適に過ごしています。

かわいい雑貨も揃えようかなどと楽しみも増えました。

転職後の生活は、今のところ順調です。

コンサルタントの方は転職後も相談に乗ってくれるとのことだったので、何かあれば連絡してみようと思っています。