実録、薬剤師の転職日記。MRから調剤薬局への転職

製薬会社でMRとして5年間勤務しましたが、様々な理由から転職を決意し、調剤薬局へと転職をしました。

転職の経緯や使用した転職会社について、ご紹介していきます。

転職をしようと思った経緯

6年制薬学部を卒業後、調剤薬局と迷いながらも製薬会社MRに

私は6年制薬学部の在学中、薬局実習や病院実習で経験した臨床での仕事にやりがいを感じ、将来は医療現場で働きたいと考えていました。

特に、服薬指導を通じて患者様の健康増進に貢献することに強いやりがいを感じ、いつしか調剤薬局で働くことが、私の夢となっていました。

しかし、大学で同じ研究室にいた先輩からMRの仕事について聞く機会があり、医薬品の普及活動をすることで患者様に貢献できるということにも、興味を持つようになりました。

期限のギリギリまで調剤薬局と迷いましたが、「MRは新卒でないと厳しい」ということが後押しとなり、最終的には新卒で製薬会社にMRとして入社しました。

旅行が好きだったということもあり、全国様々な土地で働けることに魅力を感じたことも、MRを選んだ理由のひとつです。

製薬会社の仕事は魅力的であり、やりがいを感じながら5年間働く

製薬会社の仕事は大変魅力的で、日々刺激を感じながら仕事をすることができました。

地域の中の大きな病院で、自社の医薬品を院内採用して頂いたり、提案した症例で医薬品を使っていただくことで、患者様が良くなったということも経験しました。

社内のスタッフだけでなく、病院の医師や薬剤師さん、医薬品卸のMSさん、クリニックの受付さん、他社のMRさんなど、様々な方と交流することができたことも、MRの魅力の一つでした。

また、「名刺交換の方法」や「言葉遣い」、「メールの送り方」など、社会人としてのマナーやスキルを学ぶことも出来たので、とても勉強になりました。

年収は5年目の時点で額面580万円+日当50万円(非課税)と多職種の同期よりも高く、金銭面で不満を感じたことはありません。

ツラいことも多かったMR生活

MRはやりがいのある仕事ですが、ツラい思いをすることも少なくはありません。

理不尽なことで取引先の医師や薬剤師さん、職場の上司に怒られることもあり、泣きながら帰ったこともあります。

早朝出勤や残業も多く、長時間業務が日常となっていた上、休みの日にも取引先の方と飲みに行くこともあり、プライベートの時間が犠牲になっていました。

また、思い描いていた「医薬品の普及活動」は、決して良いことばかりではありませんでした。

患者様に適した薬を紹介するというのではなく、ひたすら薬の名前を連呼するだけであったり、競合品でうまくコントロールができている患者様の薬を自社品に変更してもらうようにお願いしたりと、納得のいかない仕事をすることも少なくはありません。

決算期には「営業努力」として、医薬品のまとめ買いをお願いするだけで業務が終わることもあり、患者様のために仕事ができているのか自問自答することもありました。

転職の決定打となった配属地の問題

そんな中でも、転職の決定打となったのは、配属地の問題でした。

MRは総合職であり、全国転勤のある仕事です。

医療の需要は全国どこでもあるので、北は北海道から南は沖縄まで、転勤を命じられる可能性があるのです。

私は関東出身であったので、生まれ育った関東での勤務を希望していましたが、初めの配属地は宮城県の仙台市でした。

製薬会社では、一定のスパンで転勤があり、早ければ半年や1年で辞令が下りることもあります。

しかし、私の働いていた会社はおよそ5年に1回のペースと遅く、5年目にして岩手県盛岡市への転勤を命じられました。

20代のうちに関東に戻るため、転職を決意

関東圏への転勤を希望していたのにも関わらず、むしろ関東から遠のいてしまったことは、私にとって大きなショックでした。

当時は29歳であり、そこから5年間を岩手県。

さらに関東に帰ってこられる保証もありません。

両親からも辞めるように勧められたこともあり、転職を決意しました。

はじめはMRとして同業他社への転職を考えることもありましたが、他社でも転勤の可能性は否定できませんでした。

むしろ中途入社組は、優先的に地方になってしまうという噂もあったので、次第に選択肢から外れるようになりました。

そんなときに、大学時代に調剤薬局で働きたいという夢を持っていたことを思い出し、これをきっかけに調剤薬局へ業種転換をしようと考えました。

色々考えて転職会社紹介サイトを利用したこと

はじめは自力で探そうとしたが挫折

調剤薬局への転職を決意したものの、調剤薬局のノウハウは全くなかったので、まずは情報を集めるようにしました。

インターネットなどを活用して、有名なチェーン調剤の情報を集めていきましたが、当時は調剤未経験であったため、直接応募するのには少しハードルを感じました。

その上困ったのは、宮城県にいながら東京都内近郊の職場を探す場合、説明会や面接に参加することが難しいということでした。

さらに、退職の意向は伝えていましたが、形式上は岩手県への転勤が決まっており、業務の引継ぎや引っ越しの準備をしなくてはならず、時間的にも余裕はありませんでした。

遠方の求人を探すためには転職会社を利用

転職活動で苦労していることを大学時代の同級生に相談したところ、遠方の求人を探すのであれば、転職会社を利用すべきということを教えてもらいました。

転職会社は、薬剤師転職に特化した転職エージェントに無料で相談をすることができるサービスを提供しており、面接のスケジュール調整や条件交渉を代行して行ってくれるそうです。

私は利用しませんでしたが、書類作成や面接対策、場合によっては面接に同席もしてくれるようです。

多くは無償で利用することが出来るので、薬剤師として転職をする場合には、絶対に利用することをおススメします。

複数の転職会社に同時に登録できる『転職会社紹介サイト』を利用

転職会社は20社以上あるようで、どの会社にすればよいのか、見当がつきませんでした。

そんな中、インターネットを調べていると、『転職会社紹介サイト』というものがあることを知りました。

こちらはフォーム登録することで、同時に数社の転職会社に登録をすることができるというサービスです。

私はUP薬剤師というサービスを利用しましたが、こちらは1度の登録で3社から連絡をもらうことができました。

時間が無かった中で複数の会社に効率よく登録できたので、とても助かったことを覚えています。

3社中1社を選び、転職活動を行った内容

登録後、さっそく3社から連絡があった

転職会社紹介サイト』に登録したところ、その日のうちに3社から連絡を頂きました。

中には、登録してから数分以内に電話をしてくださった会社もあり、対応の早さに驚いたことを覚えています。

それぞれの会社から「これまでの経歴」や「転職理由」に加え、希望する「業種」、「配属地」、「年収」、「休日」、「科目」などを聞かれ、希望の求人を探してもらうこととなりました。

その中で最も信頼できそうな1社を選択

すべての会社とやり取りをしたかったところですが、時間がなかなかとれなかったこともあり、3社の中で最も信頼の出来そうな1社を選択して、集中的にやり取りをしました。

「信頼できそう」というのは、担当者してくれたエージェントと話をしたときのフィーリングや、レスポンスの早さから判断しました。

残りの2社の方も親身に対応してくださりましたが、引継ぎ業務や引越し準備などを優先するため、またの機会にお世話になりたいということで丁重にお断りをさせていただきました。

希望の条件を伝え、候補となる求人をすり合わせ

私の希望の条件としては、「調剤薬局」、「関東勤務(できれば都内だが、埼玉・千葉・神奈川なら可能)」、「年収は現状を維持できればありがたい」、「休日はこだわりなし(今が休日出勤などしているので)」、「科目は希望無し」ということでお伝えしました。

しかし、前述のとおり、当時の年収は額面580万円+日当50万円(非課税)であり、さらに借り上げ社宅にも入っていたので、家賃まで含めた年収でいうと700万円近かったため、年収の維持は難しいとのことでした。

ドラックストアであれば、年収600万円(入社後に650万円にアップ)で借り上げ社宅を付けてもらえる企業があるとのご提案をいただきましたが、調剤薬局で働きたいとう気持ちが強く、年収が下がったとしても調剤薬局を優先しました。

小規模チェーン調剤の管理薬剤師候補の提案

調剤薬局の中で、なるべく良い条件のところを探してもらうこととなりましたが、大手のチェーン調剤では、中途で良い条件は難しいということでした。

特に調剤未経験というケースでは、大手では500万円が出れば良いくらいだそうです。

そんな中でご提案頂いたのは、小規模チェーン調剤の管理薬剤師候補の求人でした。

調剤未経験である]ので、入社後すぐにというわけではありませんが、半年~1年間勤務した後に管理薬剤師として働くことを条件に、初年度から良い条件を出してもらえるように交渉して頂きました。

転職会社のエージェントと二人三脚で内定を勝ち取る

上記の求人について、エージェントに面接のスケジュールを組んでいただき、現地の見学も含め、東京で面接をして頂きました。

「優しそうな人柄で、求める人材に合っている」と評価をして頂き、住宅補助も含んだ金額で、630万円の年収をご提案頂きました。

スタッフが仲良く働いていることが印象的で、経営者の方からも「だれもが皆、はじめは未経験だから大丈夫!」と励まして頂き、この薬局で働きたいと思い、就職することを決意しました。

結果として就職することはありませんでしたが、念のために大手調剤チェーンの説明会も組み込んでいただくことが出来たので、1度の移動で効率よく就職活動をすすめることができました。

転職会社のサポートを受けて、本当に良かったです。

転職を行って結果どうなったか

関東へ戻ってくることができ、配属地に満足

まず、転職の結果として関東(23区外ですが都内!)に帰ってくることができたので、非常に満足しています。

実家と薬局の中間地点で一人暮らしをしているので、実家にも帰りやすく、昔の知り合いとも食事や飲みに良く行っています。

宮城県もとても良い場所でしたが、実家も近く知り合いも多い関東の方が、やはりプライベートは充実しています。

ただ、製薬会社時代によく行った牛タン屋さんがたまに懐かしくなるので、落ち着いたらまた行きたいな、と思っています。

かねてからの夢であった調剤薬局の仕事に奮闘

ずっと夢にしていた調剤薬局の仕事をすることができて、とても満足しています。

製薬会社時代は、医師や薬剤師さん、MSさんなどの患者様以外と接することがほとんどでしたが、調剤薬局では患者様に携わることが中心となります。

患者様から直接「ありがとう」と言われることは、やはり強いやりがいに繋がります。

お薬の説明についても、はじめはうまく服薬指導できるか不安でしたが、MRの仕事で鍛えた甲斐あってか、患者様から「わかりやすい!」と褒めて頂けることもあります。

また、予定どおり勤務開始から半年経過後に、管理薬剤師として働き始めました。

未経験で中途として入社した身でありながら、早い段階で管理薬剤師を任せていただいていることは、とてもうれしく思っています。

わからないことがあっても、周りのスタッフがサポートをしてくれるので、勉強をしながら日々奮闘しています。

転職希望者は、『転職会社紹介サイト』を利用することがおススメ

遠方に住んでいながら、このような素晴らしい薬局に巡り合うことができたのは、転職会社のおかげにほかなりません。

しかし、転職会社は数多く存在しているので、やはりどうしても、当たりはずれはあるようです。

そんなときには、『転職会社紹介サイト』を利用するようにしましょう。

転職会社紹介サイトでは、複数の転職会社に同時に登録をすることができます。

生年月日や居住地、薬剤師免許番号などをその都度入力するのは大変ですが、一度の入力で同時に登録できるので、忙しい方にはおススメです。